染⾊体異常による疾患
胎児の染⾊体異常は妊婦さんの年齢が⾼齢であるほど、⾼まる事がわかっており、近年では出産年齢の⾼齢化に伴い、検査を受けられる⽅が年々増えております。
NIPTでは主に13トリソミー(パトウ症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)21トリソミー(ダウン症)といった、3つの染⾊体異常について検査を⾏う事が可能です。
当院のNIPTでは、この3つの染⾊体異常だけでなく、常染⾊体と性染⾊体の異数性、微小⽋失について調べる事が可能です。
微⼩⽋失症候群
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- 1p36欠失症候群
(1p36欠失) -
1番染色体の一部欠失
- 1p36欠失症候群
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- ウォルフ・ヒルシュホーン症候群
(4p16.3) -
4番染色体の一部欠失
- ウォルフ・ヒルシュホーン症候群
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- クリ・デュ・チャット症候群
(5p15.2) -
5番染色体の一部欠失
- クリ・デュ・チャット症候群
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- プラダー・ウィリー症候群
アンジェルマン症候群
(15q11.2) -
15番染色体の一部欠失
- プラダー・ウィリー症候群
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- ディジョージ症候群
(22q11.2欠失症候群) -
22番染色体の一部欠失
- ディジョージ症候群
※上記表は疾患の⼀部をご紹介しております。
NIPTでは全ての微⼩⽋失症候群について判定する事は出来ません。
● 染⾊体異数性について
染⾊体は通常44本あり、本数に増減があった場合、先天性の疾患を持って⽣まれてきます。この染⾊体の数の異常を異数性と⾔います。
異数性による疾患の代表例は下記の通りです。
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ダウン症 21トリソミー
詳しくはこちら
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ダウン症とは、21番染⾊体が余分に存在する事で発症します。主な症状は、知的障害、⾝体的な異常などが⾒られます。
先天性⼼疾患などの合併症を持って⽣まれる事もあり、早急な治療が必要になることもあります。
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エドワーズ症候群 18トリソミー
詳しくはこちら
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18番染色体が余分に存在する事で発症する疾患です。子宮内で胎児が正常に成長する事ができず、ほとんどが流産や死産となってしまいます。
無事に生まれてきても、重い合併症や奇形などを複数抱えており、出生直後から治療が必要となります。
出生後も半数以上は1週間以内に死亡してしまい、1歳を迎える事ができるのは10%未満です。
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パトウ症候群 13トリソミー
詳しくはこちら
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妊婦の年齢が⾼齢になるほど、発症のリスクが⾼くなる特徴があります。
ほとんどが流産や死産となりますが、無事に出産できたとしても、症状が重く⽣後1ヶ⽉を前に約80%が死亡してしまいます。
⽣後1年を迎える事ができる割合は10%未満と⾮常に低くなっています。
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● 性染⾊体異数性について
X染⾊体とY染⾊体を性染⾊体と⾔います。この染⾊体の組み合わせにより、お腹の胎児の性別が決まります。
性染⾊体にも本数に増減があった場合には、先天性の疾患を発症します。主な症例は下記の通りです。
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- ターナー症候群 モノソミーX
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ターナー症候群とは、X染⾊体が1つしかない場合に発症する疾患です。出⽣頻度は、⼥児のおよそ2,500⼈に1⼈の確率となっております。
この染⾊体異常は⼥性特有の疾患であり、低⾝⻑や性成熟の遅延等の症状があります。
症候群という名がついていますが、適切な治療を⾏えば命に関わるような症状はありません。
また、すぐに気づけるような症状がないため、性発達の遅れをきっかけに、ターナー症候群の疑いがあると診断される場合もあります。
⽇常⽣活は問題なく送る事ができますが、多くの⽅が不妊症となります。妊娠される⽅も稀ですがいらっしゃいます。
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- トリプルX症候群 トリソミーX
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トリプルX症候群とは、X染⾊体は正常であれば2本となりますが、何らかの異常により3本存在する事で発症する疾患です。
出⽣頻度は⼥児のおよそ1,000⼈に1⼈の確率となっております。
妊婦さんの年齢が⾼齢であるほどに、出⽣する確率が⾼くなる可能性があると考えられています。
先天的な異常を持って⽣まれる⽅もいれば、全く問題なく⽇常⽣活を送れる⽅もおり、症状の個⼈差がとても⼤きいという特徴があります。
不妊となる事もありますが、他の染⾊体異常による疾患と⽐べ、軽度である事が多いです。
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- クラインフェルター症候群 XXY
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クラインフェルター症候群とは、男性の性染⾊体はX染⾊体、Y染⾊体1つずつの組み合わせですが、何らかの異常によってX染⾊体の本数が増えてしまう事で発症する染⾊体異常です。この余分なX染⾊体の本数が増えるほどに、症状が重くなると考えられています。
出⽣頻度は男児のおよそ、1,000⼈に1⼈の確率となっています。
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- ヤコブ症候群 XYY
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ヤコブ症候群とは、男性の性染⾊体はX染⾊体、Y染⾊体1つずつの組み合わせですが、Y染⾊体が2本存在する場合に発症する染⾊体異常です。
ヤコブ症候群の患者は、⾝⻑が平均以上である場合が多く⾒られ、⽇常⽣活に影響のある症状は、ほとんどないと⾔われています。
症候群と名前がついていますが、その⼈の個性だとする考えもあります。
● 微⼩⽋失症候群ついて
微⼩⽋失症候群とは、染⾊体の⼀部⽋失により起こる症候群です。
当院のNIPTでは下記の疾患について推定を行う事ができます。
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- 1p36欠失症候群
(1p36欠失) -
1番染色体の一部欠失によって引き起こされる先天的な染色体異常の1つです。
患者様によって症状の違いはあるものの、特徴的な顔貌、発達遅延、知的障害、視力障害などが見られます。
1p36欠失症候群の治療法はなく、生命予後については、合併症の有無や重症度によって大きく左右されます。
- 1p36欠失症候群
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- ウォルフ・ヒルシュホーン症候群
(4p16.3) -
4番染色体の一部欠失によって引き起こされる疾患です。国の指定難病に認められております。
特徴的な顔貌をはじめ、成長障害や、重度の精神発達遅延などを呈する症候群です。
- ウォルフ・ヒルシュホーン症候群
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- クリ・デュ・チャット症候群
(5p15.2) -
5番染色体の一部欠失を起因としておこる疾患です。
猫のように甲高い泣き声が特徴的な症状の1つであり、「猫啼き症候群」とも呼ばれます。
泣き声以外にも、成長障害や、知的・精神発達遅延などの症状を認めます。
- クリ・デュ・チャット症候群
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- プラダー・ウィリー症候群 アンジェルマン症候群
(15q11.2) -
重度の筋緊張低下と摂食障害、進行性病的肥満症を特徴とし、運動発達や言語発達遅滞などの症状を認めます。
生命予後は、肥満を起因として起こる障害や疾病により大きく左右されます。
- プラダー・ウィリー症候群 アンジェルマン症候群
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- ディジョージ症候群
(22q11.2欠失症候群) -
ディジョージ症候群は、22番染色体の部分欠損によって、副甲状腺機能の低下や、免疫不全、先天性疾患に罹る可能性が高くなる他、顔貌などにも影響を与えます。
継続的な治療や疾病に対する生活の指導を必要としますが、適切な治療が行われれば、就学就労も可能となります。
- ディジョージ症候群