妊娠中に関するコラム

羊水検査の痛みはどれくらい?体験談や検査後の過ごし方をご紹介

羊水検査は、その名の通り、羊水を検査してお腹の赤ちゃんの染色体異常を見つけ出す検査です。しかし名前を聞いただけでは、「どうやって羊水を取り出すの?」「痛みはどれくらい?」と気になる人も多いでしょう。痛みの度合いが気になって、知恵袋やブログを検索した人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、羊水検査を受けた人の体験談や検査後の過ごし方についてご紹介します。出生前診断の受検を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

出生前診断とは

羊水検査は出生前診断のひとつです。出生前診断とは、お腹の赤ちゃんが先天性の病気を持っていないかを調べる検査。出生前診断には非確定的検査と確定的検査の2種類があります。

非確定的検査は精度が100%ではないものの、赤ちゃんへのリスクが少ないのが特徴です。NIPT(新型出生前診断)や、母体血清マーカー検査、コンバインド検査などは非確定的検査。妊婦健診で行われるエコー検査(超音波検査)も、赤ちゃんの形態異常を調べるものなので、出生前診断の非確定的検査に分類されます。

一方、確定的検査は流産リスクがあるものの、精度はほぼ100%。羊水検査はこの確定的検査に分類されます。

出生前診断を受ける人の割合は年々増え続け、2006年には約3万人であったのが、10年後の2016年には約7万人と2倍以上も増えている状況です。35歳以上の妊婦のみに絞ると、約4分の1が出生前診断を受けていることになります。

出生前診断は陽性判定が出た結果、中絶を選ぶことは命の選別になるとして、賛否両論がある検査です。しかし、検査を受けることで病気に備えることもできるようになります。産後すぐに治療が受けられる環境を整えることもできるでしょう。「やっぱり出生前診断を受ければよかった…」と後悔しないためにも、妊活中からじっくり検討してみてください。

確定的検査の「羊水検査」とは

羊水検査とは、羊水中に含まれる赤ちゃんの細胞を採取して調べる検査です。羊水中には赤ちゃんからはがれた皮膚片や粘膜の細胞が漂っています。その細胞を取り出し、培養することで赤ちゃんの染色体を調べることが可能です。羊水検査は保険適用外なので、全額自己負担になります。費用の相場は約15万円とされ、クリニックにより値段設定が異なります。

羊水検査を受けられるのはいつから?

羊水検査を受けられる時期はクリニックにより差はありますが、妊娠15~16週以降が一般的です。それ以前は羊水の量が少なく十分に検査をすることができません。また、妊娠15~16週を過ぎると流産率が下がることや、陽性の場合の対応が可能になるというのも羊水検査を受ける時期の基準となっています。

羊水検査の検査方法とは

羊水検査はママのお腹に針を刺して行う検査です。まずは赤ちゃんの位置を超音波検査で調べて、検査可能かどうかを判断します。赤ちゃんや胎盤の位置に問題がなければ、穿刺針(せんししん)をお腹の上から子宮に向かって刺し、15~20mlの羊水を採取。羊水から赤ちゃんの細胞を見つけ出し培養したあとに、染色体数や形状を調べます。診断結果がでるまでに2~4週間かかるため、羊水検査で陽性判定となったときのことまで考えて、検査時期を検討しましょう。

羊水検査でわかる染色体異常は?

染色体異常とは、通常2本で1組の染色体が1本や3本で1組になっていたり、一部が欠損していたりなど、通常とは違う形に変化したものを指します。1本で1組の染色体を「モノソミー」、3本で1組の染色体を「トリソミー」と呼び、何番目の染色体に異常があるかで、「21トリソミー」「18トリソミー」といった数字がつきます。一般的に、この数字が小さいほど重度の障害となることが多いです。

羊水検査でわかる染色体異常は、以下の内容になります。

・ダウン症候群(21トリソミー)

・エドワーズ症候群(18トリソミー)

・パトウ症候群(13トリソミー)

・ターナー症候群(女性の性染色体が1本少ない、一部がない)

・クラインフェルター症候群(男性の性染色体のX染色体が多い)

・転座(染色体が切断されて、ほかの染色体に付着すること)

・欠失(染色体の一部が存在しない)

精度約100%とされる羊水検査ですが、何でもわかるわけではありません。細かい染色体の構造に関する異常や先天性の心疾患など、見つけられない異常があることも。また、羊水検査したのにダウン症の子どもが産まれてくる可能性もあります。100%確実な検査はありませんので、理解したうえで検査を受けるようにしましょう。

羊水検査のリスクはどれくらい?

羊水検査は、ママのお腹の、赤ちゃんがいる子宮内まで針を刺す検査です。0.3%(1,000人に3人)の割合で流産が起こることがあります。破水や子宮内感染症、羊水塞栓症などが起こる場合も。針を刺す前に超音波検査で赤ちゃんの位置を確認しますが、赤ちゃんが急に動いてしまうと針に接触してしまう可能性はゼロではありません。リスクがあることを理解したうえで、羊水検査を受けるようにしましょう。

羊水検査で感じる痛みはどれくらい?

「お腹や子宮に針を刺す」と聞くと、どれくらいの痛みなのか気になるところ。やはり針を刺すこと自体は、一般的な注射などと同様に痛みを伴います。クリニックによって方針が違うこともありますが、ほとんどのクリニックで局所麻酔を行い、痛みを軽減しているようです。

羊水検査を体験したママの声

人によって痛みの度合いや感じ方は異なるもの。実際に羊水検査を体験したママの体験談をまとめてみました。かなり痛かったというママから全く痛くなかったという意見までさまざま。羊水検査の痛みが気になる人は参考にしてみてくださいね。

羊水検査で痛みを感じたママの声

・麻酔が痛かった

・検査後、お腹全体に鈍痛を感じた

・普通の注射と同じくらいの感覚

羊水検査で痛みを感じなかったママの声

・全く痛くなくて拍子抜けした

・痛みはほぼ感じなかったが、圧迫感はあった

痛みはどれくらい続く?

羊水検査は、検査後に痛みを感じる人と感じない人がいるようです。痛みを感じた人の多くは1日で治まったという意見が多数。ところが中には3日以上も痛みが続いたという方もいます。

羊水検査後の過ごし方とは

穿刺後は傷口を消毒し絆創膏を貼り、その後超音波検査で赤ちゃんが元気なことを確認したら、そのまま帰宅できます。ママの状況によっては入院をすすめられることも。羊水検査当日と翌日までは安静に過ごすようにしましょう。いつまで安静にすればよいか気になるときは、担当の医師に相談してみてくださいね。

リスクも痛みもほとんどないNIPTとは

羊水検査のデメリットである、赤ちゃんへのリスクや穿刺時の痛み。これらをカバーしてくれるのがNIPTです。NIPTは非確定的検査ではありますが、ママの採血のみで赤ちゃんの染色体異常を調べることができるので、痛みも採血のときがメイン。流産するリスクもありません。さらに検査の感度が99%と、羊水検査とほぼ変わらない精度を持ちます。NIPTで陰性判定が出れば羊水検査を受けることなく、穏やかな気持ちでマタニティライフを楽しむことができますよ。

羊水検査の前にNIPTを受検しよう

今回は羊水検査の痛みやリスクについてご紹介しました。非確定的検査のNIPTなら高い精度かつ少ない痛みで、赤ちゃんのことを調べることが可能です。NIPTが広まってきた影響もあってか、羊水検査の実施件数は近年減少傾向にあります。お腹の赤ちゃんについて心配なことがあれば、まずNIPTの受検を検討してみてくださいね。

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