妊娠中に関するコラム

NIPTの結果はいつ出るの?目安の日数や見方など気になる疑問にお答え

NIPT(新型出生前診断)は、お腹の赤ちゃんの染色体異常が調べるための検査です。染色体異常となると、「いつ分かるの?」と結果を待つ間は不安になってしまいますよね。

今回のコラムでは、NIPTの結果がいつ出るのかを解説。さらに、結果通知に備えて、NIPTで調べられる染色体異常の種類や、結果の見方などもお伝えします。NIPTに興味のある方、NIPTの情報を集めている方は必見です!

NIPTの結果はいつ出るの?

まずはNIPTを受けるときの流れを確認し、結果が出るまでの日数を把握しておきましょう。

NIPTを受けるときの流れ

NIPTを受ける際の基本的な流れは、次のとおりです。

1.検査プランを決める

2.採血するクリニックを選ぶ(系列クリニックが複数ある場合)

3.採血日を予約する

4.採血する

5.検査結果の報告を受ける

クリニックによって多少の違いはありますが、だいたいこのような流れで進んでいきます。

プレママクリニックでは、検査前にカウンセリングを実施中です。NIPTについて動画を交えながら説明し、検査結果にどんな意味があるのか、結果を受けてどう判断したらいいのかなどもアドバイスしています。

カウンセリングは、たっぷり1時間。ゆっくりお話しする中で、疑問点や不安の解消につながるように努めています。

検査結果はおよそ1~2週間後に判明

NIPTの検査を受け、結果が分かるのはおよそ1~2週間後。NIPTは検体を海外の検査機関に送っているクリニックも多く、結果報告まで少し時間がかかるのです。早い場合でも5日はかかることが多いでしょう。

なお、結果が分かるまでの日数はクリニックによって異なるため、あくまで目安にしてください。

当院の場合、実績のあるアメリカのイルミナ社(ベリナタ・ヘルス社)にて検査を実施。採血から結果のお知らせまで10日~2週間ほどいただいています。

NIPTの結果報告は主に3パターン

結果の知らせ方も、クリニックによってまちまち。あらかじめどんな方法があるのか、チェックしておきましょう。

ここでは、主な方法3パターンを紹介します。

メールで送られてくる

結果が出たことをメールにて通知されるパターンです。

メールに電子データが添付されている場合、ダウンロードして結果を確認します。

当院では、メールで通知していますが、データの添付はしていません。メール受信後、マイページにログインしていただき、PDFデータで結果を閲覧します。

郵送で結果が送られてくる

結果の詳細が郵送で送られてくるパターンです。

検査結果を郵送のみで対応しているクリニックと、メールによる結果通知のオプションとして郵送が追加できるクリニックがあります。

当院でも、オプションで検査結果の郵送が可能です。「紙面で手元に残したい」という方は、検討してみてください。

病院から直接結果を聞く

検査を受けた病院から直接結果を聞くパターンです。

再度病院に行って結果を聞くだけでなく、オンライン面談が選択できる病院も。オンライン面談は、結果報告書の郵送がセットになっている場合もあるようです。

NIPTの結果から分かること

NIPTは、ママの血液中にある胎児のDNAを調べ、赤ちゃんの疾患のリスクを探る検査です。 通常、人間の細胞の核の中には、44本の常染色体(1~22番、各1対)と2本の性染色体(X、Y)の合計46本の染色体が存在しています。しかし、染色体の本数が異数であると、赤ちゃんは先天性疾患を持って生まれてくるのです。

NIPTは先天性疾患を断定する確定的検査ではありません。しかしながら、高い精度で染色体異常を調べられるため、お腹の赤ちゃんのことを詳しく知りたい場合に有効です。

では、具体的にどんな疾患のリスクが分かるのか見てみましょう。

常染色体の異数性

NIPTで分かる染色体異常の障害は、ダウン症候群(21トリソミー)をはじめ、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パトウ症候群(13トリソミー)など多岐にわたります。

21番目の染色体が余分に存在すると「ダウン症候群」、18番目の染色体が多いと「エドワーズ症候群」といったように、何番目の染色体の本数に異常があるかで、どんな疾患の可能性があるかを調べます。

X染色体とY染色体の組み合わせによる性別

染色体異常ではありませんが、NIPTで染色体を調べるとお腹の赤ちゃんの性別が判定可能です。

性別を決めているのは、性染色体のX染色体とY染色体。性染色体がXYだと男の子、XXだと女の子になるのです。

性染色体の異数性

通常2本ある性染色体ですが、染色体の本数が少ない、もしくは多いことで発症する疾患があります。

一例ですが、性染色体異常の疾患は、性染色体がX染色体1本のみの場合に発症する「ターナー症候群」、X染色体が2本とY染色体が1本存在する「クラインフェルター症候群」などです。

NIPTでは、このような性染色体異常による疾患の可能性も探れます。

微小欠失症候群

微小欠失症候群は、染色体の一部が欠けることで発症する疾患です。何番目の染色体が欠けているかによって、症状が違います。

例えば、1番染色体の一部欠失による「1p36欠失症候群」は発達の遅延や知的障害といった症状が特徴です。

4番染色体の一部欠損による「ウォルフ・ヒルシュホーン症候群」は、成長障害や精神発達遅延などを引き起こすといわれています。

染色体の本数だけでなく、わずかな欠損による疾患もNIPTで推定が可能です。

調べたい疾患が含まれている検査プランを選ぼう

検査プランの内容は、クリニックによって異なります。主な疾患のみに絞った検査、性別や数多くの疾患を網羅できる検査など、さまざま。あらかじめどんな内容を知りたいのか確認し、受ける検査プランを検討してみてください。

当院では、「ライト検査」と「フルセット検査」の2つの検査プランを提供しています。

ライト検査は、13番・18番・21番のいずれか1つの染色体異常を検査。フルセット検査は、全ての染色体異常や微小欠失検査が可能です。

NIPTの結果の見方を知っておこう

つづいて、NIPTの結果の見方を確認しておきましょう。NIPTの結果は、各染色体のDNAの数が基準値内かどうかで、「陰性」または「陽性」と判定されます。

果たして「陰性」や「陽性」はどんな結果なのでしょうか。

結果が「陰性」の場合

染色体異常が認められない場合、陰性となります。

つまり、染色体異常による疾患の可能性はほとんどありません。

ただし、わずかながら「NIPTでは陰性だったのにダウン症候群の子どもが生まれた」というケースがあります。このようなケースは「偽陰性」と呼ばれ、ママの染色体異常や、ママの血液中に胎児の染色体が少ないことなどが原因で起こってしまうのです。

結果が「陽性」の場合

測定値が基準の範囲外であった場合、陽性として結果に表示されます。

お腹の赤ちゃんが染色体異常の疾患がある可能性が高いと考えられるでしょう。

再検査・保留

ごくまれに、「再検査」や「保留」となるケースが生じます。

これは、採取した血液中の胎児DNAが少ない、ママが飲んでいる薬の影響などの理由で、検査結果が出せない場合に起こりやすいです。

NIPTの結果「陽性」だったら羊水検査を検討しよう

NIPTは非常に高精度な検査ですが、100%ではありません。陽性と判定が出たら、羊水検査の受検を検討してみてください。

ここからは、羊水検査についてお伝えします。

羊水検査とは?どうやって行うの?

羊水検査とは、羊水の中に含まれている胎児の細胞やDNAを採取して調べる検査です。

羊水には胎児の細胞が多く含まれているため、より正確に調べられます。その検査精度の高さから、確定的検査とされているほど。

検査は、まずエコー(超音波検査)でお腹の赤ちゃんの状態や羊水の量、胎盤の位置などを確認します。そして、ママのおへその下周辺に針を刺し、羊水を採取。採取する量は、10~20mlほど。針を刺している時間は15~20秒程度です。

採取後は時間をかけて細胞を培養し、染色体を確認します。そのため時間を要し、検査結果が出るまで3~4週間ほどかかるでしょう。

羊水検査から分かること

羊水検査で分かるのは、ダウン症候群、エドワーズ症候群、パトウ症候群がメインです。

一方、羊水検査はこまかな染色体異常は見抜けません。羊水検査は、培養した細胞を人(医師や専門家)が顕微鏡で見て確認しているため、非常にこまかな異常までは分かりにくいことが特徴です。

羊水検査のリスクについて

羊水検査が危険というわけではありませんが、子宮に針を刺すため、リスクが伴います。わずかながら、流産や早産、羊水採取後に破水する可能性も。

このようなリスクも含め、羊水検査について理解しておきましょう。

NIPTの結果が出るタイミングや見方を把握しておこう

NIPTは採血してからおよそ1~2週間後に結果が出ることをお伝えしました。待っている間はドキドキしてしまうかもしれません。今回のコラムを参考に、結果の見方やどんなことが分かるのかを把握し、備えておきましょう。

また、プレママクリニックのインスタグラムでは、検査当日の流れや結果通知書の見本、遺伝カウンセラーについてなど詳しく紹介しています。ぜひチェックしてくださいね。

Pagetop