妊娠中に関するコラム

NIPT検査は本当に安全なの?ほかの出生前診断との比較も解説

赤ちゃんの染色体疾患について、早い段階で調べられるNIPT。SNSやブログなどで、「NIPTを受けてきた」という報告を見かけることも、多くなってきました。しかし、NIPTの安全性が心配なママもいるでしょう。そこで今回は、NIPTが安全なのかどうかについてまとめました。「何週がベストなの?」「受ける割合はどのくらい?」など、さまざまな疑問も解決できる内容になっていますので、NIPTが気になっている方はぜひお読みください。

まずはNIPT検査についておさらい

まずはNIPT検査について、くわしくご説明します。

NIPTとはどんな検査なの?

NIPT(新型出生前診断)とは、ママの血液を用いて赤ちゃんの染色体疾患を調べる検査です。ママの血液には、ママだけでなく赤ちゃん由来のDNA断片も存在しています。そのDNA断片を調べることで、生まれてくる前に赤ちゃんの状態を知ることができるのです。

NIPTを受けられるのはいつ?

NIPTを受けられるのは、赤ちゃん由来のDNAが、ママの血液内を十分に循環しはじめる妊娠10週以降。妊娠10週より前の段階では、赤ちゃん由来のDNAがしっかりと循環していないため、正確に検査できないことがあります。

「いつまでにNIPTを受けたらいいの?」と、疑問に思うママもいるかもしれませんね。ここで知っておいてほしいのは、NIPTが確定的検査の前に行う、スクリーニング検査の位置づけであること。そのため、結果が「陽性」の場合、本当に染色体疾患があるのかを調べるためには、確定的検査が必要となります。確定的検査にあたる羊水検査を行う時期は、妊娠15週以降です。そのため、妊娠15週頃までにNIPTを受けておくと、「陽性」の場合にスムーズに次の検査に進めるでしょう。

NIPTではどんな疾患がわかる?

NIPTでは、主に13トリソミー・18トリソミー・21トリソミー(ダウン症候群)の可能性について知ることができます。本来2本ずつペアになっている染色体が、3本ある状態がトリソミーです。染色体異常には数的異常と構造異常がありますが、トリソミーは数的異常。NIPTで調べられる項目が3つのトリソミーに限定されているのは、これらが染色体疾患全体の70%を占めているためです。

それぞれの染色体疾患の特徴を以下にまとめました。

【13トリソミー(パトウ症候群)】

13番目の染色体が3本ある状態

出生頻度:5,000人に1人程度

症状:成長障害・呼吸障害・摂食障害などのほか、顔面奇形など

合併症:先天性心疾患・脳の異常・知的障害・難聴など

予後:生後1ヵ月まで80%が亡くなり、1年以上生存するケースは10%に満たない

【18トリソミー(エドワーズ症候群)】

18番目の染色体が3本ある状態

出生頻度:10,000⼈~3,000⼈に1⼈程度

症状:成長障害・呼吸障害・心臓や耳などの奇形

合併症:先天性心疾患・泌尿器疾患・難聴など

予後:多くが生後間もなく亡くなり、1年以上生存するケースは10%に満たない

【21トリソミー(ダウン症候群)】

21番目の染色体が3本ある状態

出生頻度:1,000人に1人

症状:成長障害・知的障害・特徴的な顔つき・筋緊張低下など

合併症:先天性心疾患・泌尿器系合併症・白血病など

予後:多くが成人まで成長

NIPTでわかるのは一般的に前述の3つの染色体疾患ですが、「プレママクリニック」では、微小欠失や性染色体の異常なども調べることが可能です。また、検査時には赤ちゃんの性別もわかります。

検査結果が偽陰性の確率は?

偽陰性とは、結果が「陰性」であるにもかかわらず、実際には染色体異常があることです。NIPTの陰性的中率は99.99%。つまり、「陰性」の結果であれば、赤ちゃんが染色体異常である可能性は極めて低いといえます。

一方で0.01%の確率で偽陰性となる可能性も。例えば、「陰性だったのにダウン症候群の赤ちゃんが生まれた」ということが、起こりうるわけです。NIPTの偽陰性は、検査のタイミングが早すぎることによるものだと考えられます。前述のように、赤ちゃん由来のDNA断片が十分にママの血液を循環しはじめるのは、妊娠10週以降。そのため、医師と相談しながらNIPTのタイミングを決めることが重要です。

検査結果が擬陽性の確率は?

偽陽性とは、結果が「陽性」であるにもかかわらず、実際には染色体異常がないことを意味します。NIPTの陽性的中率は、染色体疾患の種類やママの年齢にもよりますが、50~90%です。

例えば21トリソミー(ダウン症候群)の陽性的中率は、ママが25歳の場合49.8%、35歳では76.7%、40歳では90.9%となっています。つまり、25歳で21トリソミーが「陽性」の場合、結果が偽陽性である確率は100-49.8=50.2%。言い換えると、2例に1例は21トリソミーではないのです。

NIPTは、陰性的中率は高いですが陽性的中率が低いため、「陽性」の場合には確定的検査を受けることをおすすめします。

出生前診断を受ける割合は?

NIPTを含む出生前診断を受ける方は、年々増加傾向です。出生数から実施された出生前診断数を計算すると、2006年に出生前診断を受けたママは全体の約2.6%でしたが、2016年の調査では約7.16%が受けています。

NIPTは2013年に日本に導入されました。出生前診断の受検割合の増加は、NIPTが当時テレビなどで取り上げられ、認知度が上がったことが背景にあると考えられます。染色体疾患の発生率が上がる35歳以上での出産も増加しており、出生前診断を受ける割合は今後も増えていく見通しです。

NIPT検査のメリットとは?

ここからは、NIPT検査のメリットをご紹介していきます。

ママと赤ちゃんにとって安全である

NIPTの大きなメリットは、安全性の高さです。後述しますが、ママのお腹に針を刺す必要がある羊水検査などと比べると、ママの負担が少なくなります。もちろん、お腹の赤ちゃんへの刺激もありません。ママにとっても赤ちゃんにとっても安全な検査であるため、安心して受けられるでしょう。

誰でも受けられる

赤ちゃんの染色体疾患の確定的検査には、羊水検査と絨毛(じゅうもう)検査があります。これらの検査は、誰でも自由に受けられるわけではありません。「親が染色体異常の保因者である」「染色体異常児の出産歴がある」「高齢妊娠である」「エコー検査などで異常が疑われる」などの場合にのみ、適応となります。「赤ちゃんのことが知りたいから」という理由だけでは、これらの検査を受けることは難しいでしょう。

それに対してNIPTには、基本的にこれらの制限がありません。クリニックによっては年齢制限を設けているところもありますが、「プレママクリニック」では、年齢の制限なく検査を受けていただけます。

ただし、ご自身に染色体異常がある、免疫療法を受けたことがある、輸血歴がある、がんを患っているなどの場合には、正しい検査結果が出ない場合も。これらに該当する方は、医師に相談しましょう。

検査項目を自分で選べる

クリニックによっては、検査項目を自分で決められます。基本的には3つのトリソミーが検査項目となっていますが、さらに多くの染色体疾患を調べられるところでは、性染色体異常や微小欠失などの項目も追加可能。知りたい情報や予算に合わせてプランを選ぶといいでしょう。

「プレママクリニック」では、2種類の検査プランをご用意しています。

【フルセット検査】110,000円(税込)

13・18・21番を含む1~22番染色体のトリソミーや性染色体検査、微小欠失を調べるプランです。性別判定も含まれています。

【ライト検査】55,000円(税込)

13・18・21トリソミーから1つをお選びいただけます。

誰もが検査を受けやすい料金設定や、わかりやすいシンプルな検査プラン設計が特徴です。

生まれる前から受け入れ準備ができる

赤ちゃんの染色体疾患が事前にわかっていれば、疾患について学んだり、治療を受けられる病院や相談先を探したりすることができます。NIPTを受けなかったことを後悔することのないよう、早い段階で受けて確定診断までスムーズに進められれば、準備期間もそれだけ長くとれるでしょう。

染色体疾患の確定診断ができる検査は?

最後に、確定的検査にあたる絨毛検査と羊水検査についてご説明します。

絨毛検査

胎盤にある絨毛の細胞を採取して、赤ちゃんの染色体異常などを診断する検査です。胎盤の位置などにより、経腹法(けいふくほう:お腹側から検査する方法)、あるいは経膣法(けいちつほう:膣側から検査する方法)で行います。NIPTと異なり、針をお腹などに刺すことから破水や流産、感染症などのリスクを伴うことが特徴です。結果が出るまでの期間は、2~3週間程度。妊娠10~13週に行われることが多いですが、病院によっては妊娠14週以降など、時期が異なる場合もあります。

羊水検査

子宮内にある羊水を採取して、染色体異常などを調べる検査。ママのお腹から針を刺すため、絨毛検査と同様に流産や感染症などのリスクがあります。結果が出るまでの期間は3週間程度。一般的には、羊水が十分な量になってくる妊娠15~18週ごろに検査を行います。

これらの検査と比べても、NIPTは負担がほとんどない検査だといえるでしょう。そのため、「高齢だから赤ちゃんのことが心配」というケースなどでも、確定的検査の前段階としてNIPTを受ける方が増えています。

NIPTはママと赤ちゃんにとって負担の少ない安全な検査

ご説明してきたように、NIPTは安全性の高い検査と言えます。そのため、NIPTを受ける際はリスクを過度に心配する必要はないでしょう。

NIPT専門の「プレママクリニック」は、ママの「知りたい」の気持ちにお応えできるよう、年齢制限を設けずに、受けやすい料金設定の検査プランをご用意しています。妊娠中のママのことや赤ちゃんのこと、NIPTについて不安な方には、オンライン診療もありますのでぜひご利用ください。

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