妊娠中に関するコラム

妊婦健診のスケジュールと健診内容は?健診を受けない場合のリスクもご紹介

ママや赤ちゃんの健康状態をチェックするために定期的に受ける妊婦健診。初めて妊娠するママにとって気になるのは、妊婦健診のスケジュールや健診内容ではないでしょうか。そこで今回は、妊婦健診の基本や妊婦健診を受けない場合のリスクなど、徹底的に解説します。妊娠を希望されている方や、妊娠検査薬で陽性判定が出た!という方はぜひ参考にしてみてくださいね。

妊婦健診って何するの?

妊婦健診は産婦人科や診療所でママと赤ちゃんの健康状態をチェックするもの。少ない時期で4週間に一回、多い時期で1週間に一回あります。無事に出産を迎えるためには必要不可欠な健康診査です。

同時に、担当医師や助産師に妊娠や出産に関する相談をする機会でもあります。妊婦健診の頻度はだいたいどこの産院も共通ですが、健診内容は産院の方針によって異なるようです。

妊婦健診の頻度

妊婦健診は週数によって来院する頻度が変わります。初回から妊娠11週までは1~2週間に一回、妊娠23週までは4週間に一回、妊娠24週から35週までは2週間に一回、妊娠35週から出産にかけては1週間に一回来院するのが一般的です。「なぜ受診頻度が変化するの?」「出産直前の妊婦健診が多い理由は?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。妊娠初期はママの健康状態をチェックするのが目的なので、頻度が少ないのです。妊娠24週からは急な出産で早産にならないよう、出産の兆候をこまめにチェックする必要があるため、1週間に一回のスケジュールとなります。

ただしママや赤ちゃんの健康状態が心配な場合は、受診間隔を短くすることもあり、必ずしもスケジュール通りに進むとは限りません。

妊婦健診の一般的なスケジュール

妊婦健診は週数によって内容が少しずつ異なります。まず妊娠検査薬で陽性判定が出た場合はすぐに産婦人科を受診しましょう。

すべての妊婦健診で共通の内容

すべての妊婦健診において共通の内容は以下になります。

・血圧測定

・尿検査(尿たんぱく、尿糖)

・体重測定

・超音波検査

妊娠23週までの妊婦健診の内容

妊娠検査薬で陽性判定が出てから初めて受ける妊婦健診では基本内容に加えて、里帰り予定はあるのか、最終生理日はいつなのかなど、これからの出産に関わることを聞かれることが多いようです。

妊娠23週までの健診で行われる内容は、基本検査に加えて以下の検査を行います。

・血液検査(血液型検査、血算、血糖、B型肝炎抗原、C型肝炎抗体、HIV抗体、梅毒血清反応、風疹ウイルス抗体、HTLV-1抗体検査)

・子宮頸がん検診(妊娠23週までに一回)

妊娠24週~35週までの妊婦健診の内容

妊娠24週からは妊婦健診の頻度が2週間に一回となります。血液検査に含まれる血算は、貧血の値を調べることが可能です。この検査で貧血と診断されると、食事指導や鉄材を処方されることもあります。

・血液検査(血算、血糖)

・B型溶血性レンサ球菌検査

・性器クラミジア検査(妊娠30週までに一回)

妊娠36週~出産までの妊婦健診の内容

いよいよ出産目前となる妊娠36週からは、妊婦健診の頻度が1週間に一回となります。予定日を超えると1週間に二回行う産婦人科も。

・血液検査(血算)

・NST(ノンストレステスト)

・術前検査(帝王切開のママ限定)

NSTは赤ちゃんの心拍や子宮収縮の有無をモニタリングして、赤ちゃんの健康を調べる検査。ママのお腹にセンサーを付けて、30~40分横になって調べます。

エコーの種類と切り替えのタイミング

エコー(超音波検査)とは、棒状のプローブと呼ばれるセンサーから出る超音波によって赤ちゃんの様子を調べる検査です。超音波が赤ちゃんの血管や臓器に跳ね返り、その跳ね返りを映像化することで、赤ちゃんの様子や成長を確認することができます。

エコーと聞くと、お腹に機械を当てて映像で赤ちゃんを確認するイメージを思い浮かべる方が多いと思います。ところが、エコーには2種類あり、妊娠初期はお腹ではなく膣内に機械を挿入して赤ちゃんを観察する方法もあるんです。

経腟エコーとは

妊娠初期に使用される経腟エコーは、膣内にプローブを挿入して赤ちゃんの様子を見るものです。お腹の上よりも子宮に近い部分にセンサーを当てることで、まだ小さい赤ちゃんの細部や卵巣の状態まで確認することができます。

経腹エコーとは

経腹エコーとは、お腹の上にプローブを当てて赤ちゃんの様子を観察するものです。超音波が伝わりやすいよう、ゼリーをお腹に塗って検査します。経腹エコーには、通常のエコーよりも赤ちゃんが立体的に見える3Dエコーや、動いている様子もわかる4Dエコーもあります。3Dエコーや4Dエコーは検査のためではなく記念として活用されることが多いようです。

切り替えのタイミングは?

経腟エコーから経腹エコーへ移行するタイミングは、だいたい妊娠12週ごろ。しかし服を脱ぐ手間や、膣に機械を挿入する際の不快感を考えると早く経腹エコーにしてほしいと思う人も多いはず。近年経腹エコーは精度が上がり、妊娠12週よりも早く経腹エコーへ切り替える産婦人科もあるようです。自分の産院がいつから経腹エコーになるか気になる方は、担当医へ聞いてみるとよいでしょう。

妊婦健診の予約方法は?

妊婦健診は多くが予約制となっており、妊婦健診受診時に次回の予約を取るのが一般的です。また、妊娠検査薬の陽性判定後、初めて産婦人科を受診する場合は予約を受け付けていない産婦人科もあり、一般診療や婦人科の受診を促す場合もあります。初診はほかの妊婦さんの予約の合間に受診する場合もあるため、時間がかかることを理解したうえで受診するようにしましょう。

妊婦健診の費用は?

妊娠は病気ではないため、基本的に全額自己負担となります。ただし、自治体からの妊婦健診補助券があれば、無料もしくは数千円の自己負担で妊婦健診が受けることが可能です。

全額補助券でまかなえる自治体でも、任意の検査や追加の検査を行う場合は、自己負担金を支払わなければならないことも。妊娠期間が長引くと、補助券を使い切ってしまい自己負担で妊婦健診を受ける場合もあります。

補助券の枚数や補償される金額は自治体ごとに差があるので、気になる方は自治体の窓口 またはホームページなどで確認してみましょう。

妊婦健診補助券は、母子手帳交付とともに支給されるものなので、母子手帳を持ち合わせていない初回の妊婦健診の場合は、基本的に全額自己負担となります。

初回の妊婦健診では2万円ほど持っていくと安心でしょう。

妊婦健診を受けないとどうなる?

妊娠していること自体に気づかなかったり、金銭的に妊婦健診を受けることができなかったりと、妊婦健診を受けない理由はさまざまです。しかし、妊婦健診を受けていないと、健康的に育っている赤ちゃんなのか、注意すべき感染症があるのかなどが病院で把握できないまま出産することになります。感染症にかかっている場合は病院関係者にも感染するリスクが伴うので、受け入れを拒否されることも。

また、妊娠時にかかりやすい病気もあり、妊婦健診を受けていないと病気を発見することができず、赤ちゃんを危険にさらすことになります。赤ちゃんを守るためにも妊婦健診は必ず受けるようにしましょう。

健やかな赤ちゃんの成長のために妊婦健診に行こう

妊婦健診のスケジュールや内容、大切さについてご紹介しました。妊婦健診は無事に出産を迎えるために必要不可欠なことです。予約時に「2週間後に来てください」と言われても、すでに予定が入っている場合や体調不良で行けないこともあると思います。少し日にちがずれても大丈夫なので、病院に相談して必ず妊婦健診を受けるようにしてくださいね。

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