妊娠中に関するコラム

NIPTで陽性判定になったら…?陽性率や偽陽性、偽陰性についても解説

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NIPTの受検を検討する際に「陽性率はどれくらいなのかな?」「年齢別の陽性率は?」「陽性だった場合に中絶を考える人はどれくらいいるのだろう…」と悶々としている方も多いのではないでしょうか。実際に陽性判定が出た方のブログや投稿を見て、不安になることもあるかと思います。この記事ではNIPTの陽性判定の意味や、偽陰性・偽陽性の確率など、正確な情報をお届け。正しい知識をもとに、NIPTを受検するかどうか、じっくり考えてみてください。

NIPTとは

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NIPTとは、ママの血液内にわずかに含まれる赤ちゃんのDNAから、⾚ちゃんの染色体異常の可能性を調べる検査のことです。正式名称は「Noninvasive prenatal genetic testing (無侵襲的出⽣前遺伝学的検査)」と言います。ダウン症(21トリソミー)や、パトウ症候群(13トリソミー)、エドワーズ症候群 (18トリソミー)など、さまざまな染⾊体異常を見つけることが可能です。

NIPTで陽性と診断される確率は?

NIPTは非確定的検査で、他の非確定的検査に比べると検査精度が高いことが特徴です。非確定的検査である「母体血清マーカー検査」や「コンバインド検査」の感度が約80%なのに対して、NIPTは約99%と非常に検査精度が高くなっています。
NIPTでの陽性と診断される確率を年齢別にすると、20代で受けた場合は0.1%、35歳くらいで0.3%、40代で1%というケースも。NIPTで陽性と診断される確率は年齢とともに上昇することがわかります。

NIPTの陽性的中率に注目しよう

検査精度が高いNIPTですが、「陽性的中率」は、35歳で79.9%、40歳で93.7%と言われています。陽性的中率とは出生前診断で陽性だった場合に、その判定結果が正しい確率のことです。

例えば、NIPTでダウン症が陽性と判定された場合を見てみましょう。実際にダウン症である確率は35歳の方で約80%程度と、陽性と判断されたすべての赤ちゃんがダウン症であるとは限らないのです。ただし、年齢が上がるにつれて染色体異常である確率も上がるため、高齢であるほど陽性的中率は高くなります。

陽性判定後の流れは?

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NIPTを受けて陽性判定が出たとしても、陰性である可能性も否定できないため、確実に診断したい場合は確定的検査を受ける必要があります。もちろん受けるかどうかは、本人の意思によりますが、NIPTで陽性判定を受けた方の約85%は確定的検査を受けているというデータも。また、陽性判定となった場合、必要があれば心のケアや染色体疾患についての説明が受けられる「遺伝カウンセリング」を利用する方もいます。

確定的検査を受けて結果を知る

確実な検査結果が知りたい方は確定的検査を受けるのがおすすめです。確定的検査には「羊水検査」と「絨毛検査」の2種類があります。1つずつご紹介しましよう。

赤ちゃんの細胞から調べる「羊水検査」

羊水検査は、羊水内に浮遊する赤ちゃんの細胞から染色体異常を調べる検査です。お腹に針を刺し、子宮から直接羊水を取り出します。針を刺す際は超音波で赤ちゃんの位置を確認しながら行いますが、リスクがないとは言い切れません。また、流産や死産に繋がる可能性も。羊水検査は確定的検査といえど、微細な染色体異常は見つけられず陰性となることもあるので注意が必要です。

胎盤由来の細胞から調べる「絨毛検査」

絨毛検査とは、将来的に胎盤となる絨毛の細胞を採取して赤ちゃんの染色体異常を調べる検査です。羊水検査よりも早い時期に受けられるメリットはありますが、胎盤由来の細胞であることから完全に赤ちゃんの細胞ではないという点や、胎盤と赤ちゃんで違う遺伝子を持つケースも。また、羊水検査同様にお腹に針を刺すため、流産や死産のリスクがあることを理解して検査を受ける必要があります。

遺伝カウンセリングを受ける

NIPTでの陽性判定を受けると、その後の妊娠継続についてや、確定的検査を受けるかどうかなど、不安に思う方がほとんどでしょう。そんなときは「遺伝カウンセリング」を受ける方法もあります。遺伝カウンセリングは染色体異常に関する正確な医学的情報を聞いたり、悩みや疑問を解決したりするものです。

遺伝カウンセリングには、出生前診断の前に行う「検査前遺伝カウンセリング」と、出生前診断を受けた後に行う「検査後遺伝カウンセリング」の2種類があります。
検査前遺伝カウンセリングでは、検査で調べる染色体異常の種類や詳細など検査の内容に関する以外にも、検査後にどのように対応するのかについても説明。
検査後遺伝カウンセリングでは、検査結果の説明のほか、今後の治療方法や方針について説明するのが一般的です。

陽性判定後、中絶を選ぶ人の割合は?

NIPTコンソーシアムによると、出生前診断で陽性判定を受けた方の約8割が中絶を選んだというデータがあります。この中絶率の高さから、賛否両論があるのもNIPTの実情です。

NIPT検査で偽陰性になることがある?

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感度が高いと言われるNIPTでも、わずかな確率で偽陰性になる可能性があります。ここではNIPTの偽陰性の確立や偽陽性となる場合について説明しましょう。

偽陰性の確率は、10,000人に1人

NIPTは高い陰性的中率を誇り、99%。他の非確定的検査に比べるとNIPTの陰性的中率は高く、陰性と判定されると赤ちゃんが染色体異常を持っている可能性は低いことがわかっています。
厚生労働省が公表するデータでは、37,243件のうち、偽陰性は4例。割合としては0.01%の確率で偽陰性が発生することになります。つまり10,000人に1人は偽陰性かもしれないということ。NIPTの結果は絶対ではなく、陰性だったのにダウン症の子供が産まれるという可能性がゼロではないことを心に留めておく必要があります。

低年齢であるほど偽陽性となりやすい

「偽陽性」とは、陽性と判定されたにも関わらず、実際には陰性であること。NIPTは高い陰性的中率が特徴ですが、陽性的中率については、疾患の内容やママの年齢によって50~90%のばらつきがあります。

ダウン症(21トリソミー)における年齢別の陽性的中率は以下の通りです。
・25歳…49.8%
・35歳…76.7%
・40歳…90.9%

上記の値を見ると、高齢になるほど陽性的中率が上がることがわかります。25歳の妊婦さんだと、陽性になった方の半分は間違った判定が出るという結果に。

陽性となったときにかかる費用

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NIPTで陽性となった場合、さらに確実な診断結果を得るためには確定的検査を行う必要があります。確定的検査は【自由診療】となっており、保険が適用されません。国による補助金もないため、全額自己負担で受検するのが一般的です。

確定的検査には羊水検査と絨毛検査がありますが、どちらも相場は【約10万~20万円】と高額。NIPTの受検費用を合わせると、最大で約30万円を支払うことになります。状況によっては入院が必要な場合もあり、そうするとさらに入院費用も用意しなければなりません。

中には、陽性判定の場合に補助金が出るクリニックも。金銭面に不安がある場合は補助が受けられるクリニックがおすすめです。

もしもの時のことも考えておこう

もしもNIPTで陽性と診断されたら、確定的検査を受けるのか、受けるとしても金銭面に問題はないかなど、考えることはたくさんあります。心の準備をするという意味でも、事前にもしもの時のことを考えておくことは大切です。
金銭面に不安がある方には、プレママクリニックの【プレママ共済】がおすすめ。プレママ共済はNIPTで陽性判定を受けた方を対象に、羊水検査にかかる費用を最大で20万円(税込)までサポートするオプションです。金銭面での負担を少しでも抑えたい方は、プレママ共済を検討してみてください。

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