【知りたいママ向け】「体が妊娠を継続できない状態」とは?流産の種類や原因、切迫流産との違いを解説
妊娠検査薬の陽性判定後、幸せに浸りながらもママの頭をよぎるのは「流産」についてではないでしょうか。流産は誰にでも起こる可能性があります。自分事として正しい知識を持っていれば、募る不安を少しでも和らげることができるかもしれません。そこで今回は、流産の原因や種類、切迫流産との違いなどを細かくご紹介します。
妊娠が継続できなくなる「流産」とは
流産とは、赤ちゃんがお腹に宿ったにもかかわらず、妊娠22週未満で亡くなってしまうことです。22週を過ぎてお腹の中で亡くなった場合は死産と呼びます。流産は全妊娠の10~20%の確率で発生し、さらに全流産のうち85%が妊娠初期である妊娠12週目までに起こるのが一般的です。
流産するとお腹の痛みや張り、出血がありますが、流産の種類によっては症状がほとんど現れない場合もあります。
妊娠初期の流産は赤ちゃん側に原因がある
妊娠11週までの期間に起こる流産の原因のほとんどが【染色体異常】や【遺伝性疾患】など赤ちゃん側に原因によるもので、ほとんどの場合、受精した瞬間にママの体に関係なく流産することが決まっています。
流産の主な原因は以下のとおりです。
【流産の原因】
・子宮の構造異常(重複子宮、子宮筋腫、子宮頸管無力症)
・重度のケガ
・感染症(風疹、サイトメガロウイルス)
・重度の糖尿病
・重度の甲状腺機能異常
・RH式血液型不適合(赤ちゃんRh+、ママRh-の場合)
・無治療の高血圧、慢性腎臓病、全身性エリテマトーデス
初期流産は、ママの仕事や運動によって引き起こされるものではありません。たとえ妊娠に気づかずに飲酒、喫煙したのち流産したとしても、ママの行いのせいではなく赤ちゃんの都合の可能性が高いのです。 安静にしていても防ぐことは難しいので、流産してしまってもママは自分を責めないでくださいね。
また、1度流産すると2度目も流産になる可能性が高まります。流産を繰り返してしまう場合は、妊娠するにもかかわらず育たない【不育症】の可能性も考えられるので、病院に相談してみましょう。
流産にはどんな種類があるの?
流産は、時期や状態によりさまざまな種類があります。
ママの身体の保護を目的とした「人工流産」
人工妊娠中絶による流産のことです。母体保護を目的としたもので、母体保護法指定医によって手術が行われます。
人工流産以外を指す「自然流産」
人工妊娠中絶以外の、自然に起こる流産全般を表します。
検査薬の普及で注目されるようになった「化学流産」
妊娠検査薬で陽性反応を確認したにもかかわらず、超音波検査で妊娠を確認する前に流産してしまうこと。この場合はママ本人が気づかずに、通常の月経と考えて過ごすこともあります。
流産の進行具合を表す「進行流産」
妊娠20週までに起こる流産で、出血とお腹の痛みを伴いながら子宮内部の胎盤や赤ちゃんが排出されてしまうこと。子宮内部が完全に出てしまった状態を【完全流産】、まだ子宮内部に一部残っている状態を【不全流産】と言います。完全流産後は経過観察をし、必要があれば子宮収縮剤を投与することも。一方不全流産の状態である場合は外科的処置などを行うことがあります。
流産の自覚症状がない「稽留流産」
稽留(けいりゅう)流産とは、ママに出血や腹痛の自覚症状がまったくないまま流産をしている状態。ストレスも原因のひとつと言われています。産婦人科で診察をしてはじめて発覚することが多いので、ママの精神的負担が大きくなりやすいです。稽留流産後は子宮内の赤ちゃんや胎盤の自然排出を待つか、週数によっては入院して子宮内容除去手術を行うこともあります。
ただし、自然排出を待っていると外出時や夜間に出血し、緊急事態となる確率も高まるので、経過観察についても論議されているようです。
ママの身体にもリスクが伴う「感染症による流産」
一般的な性感染症であるクラミジア・ヘルペス・梅毒や、B型肝炎・サイトメガロウイルスに赤ちゃんが感染することにより、流座が起こったり、母子ともに重篤な状態になったりすることがあります。
流産の回数を表す「反復流産」「習慣流産」
流産が2回繰り返されることを「反復流産」、3回繰り返されることを「習慣流産」と言います。反復流産が起こる確率は約2~5%、習慣流産が起こる確率は約1%です。流産そのものは誰にでも起こる可能性がありますが、何度も繰り返してしまう場合は何らかの原因が潜んでいるかもしれません。気になる場合は専門医療機関で検査を行う方法もありますが、原因がはっきりしないことも多いようです。
切迫流産と流産は何が違うの?
【切迫流産】とは、流産になる一歩手前の状態のことです。症状としては、軽い腹痛や少量の出血がある場合も。妊娠12週までは有効な薬がないと言われており、とにかく安静にして経過観察をします。
流産してしまうと妊娠の継続はできません。しかし切迫流産であれば継続できる可能性があるので、根気よく赤ちゃんを見守ることが大切です。
流産になる確率はどれくらい?
先述したとおり流産のほとんどが妊娠初期で、全妊娠の10~20%の頻度で発生しています。つまり、妊娠したママのうち、5~6人に1人が流産を経験しているのが現状。加えて妊娠したことに気づかない場合も含めると、さらに多くの流産が発生していると考えられるでしょう。また、年齢が高くなるとともに流産件数も増加するとも言われています。
流産後の治療や妊娠について
出血が多い場合や子宮内が感染している場合は、子宮内容除去手術を行います。手術が必要ない場合は、約2~4週間で75~90%が子宮の外へ排出されるのを待つのが一般的です。排出された後に異常がない場合は、とくに治療は必要ありません。
流産後はすぐに妊娠しない方がいい?
担当する医師の判断にもよりますが、生理が1回過ぎれば次の妊娠が可能な状態に戻ると言われています。流産から次の妊娠までの期間は妊娠成功率に影響しないと考えられているので、とくに長期間にわたって避妊する必要はありません。また、流産によって子宮内がきれいになり妊娠しやすくなるとも言われています。
流産後の精神状態はとても不安定
流産後のママは、赤ちゃんを失った悲しみとホルモンバランスの乱れから、非常に精神不安定な状態になることもあります。一緒に過ごしてきた赤ちゃんがお空に帰ってしまうことで喪失感が生まれるのは当然のこと。無理に感情を抑えず、パートナーや周りの人に自分の気持ちを打ち明けながらゆっくりと気持ちの整理をしていくことが大切です。
「血液検査のみ」のため、流産リスクが少ない検査「NIPT」
羊水検査や絨毛検査のような従来の確定的検査は、直接子宮に干渉するため安全であるとは言えず、1,000人に1人の割合で流産・死産が起こるリスクがありました。
一方、2013年より始まったNIPT(新型出生前診断)は、ママの血液から赤ちゃんの染色体異常を調べることができるので、流産のリスクが非常に少ない検査です。非確定的検査ではありますが、ママの体や精神的負担も少なく、検査精度も感度99%と非常に高いのでNIPTを受ける人が増えています。
妊娠をフライング検査で知ったママも多い。正しい知識を持って、心の準備をしておこう
今回は流産の種類や原因などについてご紹介しました。ほとんどの流産は染色体異常による赤ちゃん側の問題で起こるものです。
現代ではフライング検査などで早期に妊娠を知ることによって、これまでは妊娠に気づかなかったタイミングでも流産と向き合わないといけないママも増えています。
「早く知りたい」という気持ちは止めることができないもの。であれば、「早く備える」を見据えるのも大切でしょう。NIPTなら出生前診断による流産のリスクを気にせず受検できます。妊娠初期の不安を少しでも解消したい方は、NIPTもご検討してみてはいかがでしょうか。わからないこと、不安に思うことがありましたら気軽にご相談くださいね。