妊娠中に関するコラム

赤ちゃんの心音はいつから聞こえる?チェック方法もご紹介

「お腹の赤ちゃん元気かな?」と心配になったことはありませんか。最も近くにいるはずなのに、どんな顔をしているのか、元気にしているのか様子が分からない赤ちゃん。ママは不安になってしまうこともありますよね。そんなときに活用したいのが、心拍・心音のチェックができる超音波ドップラーなどのアイテム。心音がいつから確認できるのか、チェックすることでなにが分かるのかについてもまとめていますので、参考にしてください。

赤ちゃんの心音はいつから確認できる?

赤ちゃんの心音が確認できるのはいつごろなのでしょうか。心拍が確認できる時期とともにご紹介します。

心音って?心拍との違いは?

胎児心拍とは、超音波(エコー)検査で確認できる赤ちゃんの心臓の拍動(動き)です。心拍数は、赤ちゃんの心臓が1分間に何回拍動しているのかを表しています。その心臓の動きを音にして表したものが、胎児心音です。超音波検査では、「ドクドクドク」という音が確認できます。

心拍が確認できる時期

赤ちゃんの心拍が確認できる時期は、妊娠5~6週以降です。ただし、妊娠週数は最終月経が開始した日を0週0日として計算したもの。その後の排卵のタイミングが想定より遅く、妊娠5週などの早い時期には心拍確認ができないこともあります。たとえば、「妊娠5週3日に心拍確認できない」からといって、それが流産の兆候である、流産の確率が高いなどというわけではありません。妊娠5週に心拍の確認ができない場合は、期間をあけて検査することで「この前は確認できなかったのにその後できた」ということも多いでしょう。超音波検査で赤ちゃんの心拍がしっかり確認できる時期は、妊娠6週後半~7週以降となっています。

心拍が確認されれば、90%以上は妊娠の継続が可能です。心拍確認前と比べて流産の確率が下がったといえるでしょう。

心音が確認できる時期

小さな赤ちゃんの心臓の動きが、目で見えるだけでなく耳でも聞けるようになるのは、妊娠12週以降です。妊娠12週よりも前の赤ちゃんの心音は、まだ小さいため、聞き取ることができません。

心音は超音波ドップラーで確認できる

胎児の心音は、超音波ドップラー(ドップラー聴診器)で確認できます。ドップラー法とは、決まった周波数の超音波を送り、その周波数と戻ってきたときの周波数の違いにより、血液の流れる方向や速度などを調べる検査方法。速度の情報を音で表すことで、胎児心音が聞けるのです。心拍を確認するときの超音波検査も、このドップラー法を利用しています。

超音波検査の種類は、細い棒状のセンサーを膣内に挿入する「経腟法」と、お腹の外側から調べる「経腹法」のふたつ。12週までの心拍確認は経腟法、12週以降の心拍・心音確認は経腹法が用いられます。

超音波ドップラーで心音を聞くようになる前は、ラッパのような形をしたトラウベ聴診器という器具で心音を聞いていました。トラウベ聴診器で心音を確認できる時期は、妊娠17~20週以降。トラウベ聴診器は耳に直接当てて使うものであり、ママが赤ちゃんの心音を聞ける器具ではありませんでした。時代の進化とともに、早いタイミングでママも赤ちゃんの心音を聞けるようになったといえるでしょう。

赤ちゃんの心拍数の目安

赤ちゃんの心拍数の目安や、心拍・心音から分かることについてご説明します。

どうして心拍・心音を確認するの?

妊婦健診では、なぜ赤ちゃんの心拍確認や心音確認をするのでしょうか。それは、赤ちゃんが元気であることを確認するため、そしていつもと異なる赤ちゃんの苦しいサインをいち早くキャッチするためです。

赤ちゃんの1分間の平均的な心拍数は、妊娠5週ごろでは90~100回、妊娠9週ごろでは170~180回、妊娠16週ごろでは150回程度。このころの正常値は110~160bpm(beats per minute/1分間の拍動数)です。心拍数がこの範囲内にあって、元気なサインが確認されれば問題がないと判断できます。もちろん、大人と同様に赤ちゃんの心拍数も一定ではありません。正常であれば寝ているときは落ち着いていますし、動いているときは上がります。

大人の心拍数がどのくらいなのか聞いたことがありますか。大人の心拍数の平均は、60~70回程度です。赤ちゃんの心拍数は、大人の約2倍にあたります。

心拍・心音から分かること

心拍・心音から分かる赤ちゃんの状態についてご説明します。

<頻脈がみられるとき>

頻脈とは、心拍数が正常値より速いことを指します。頻脈が一時的にみられるのは、赤ちゃんが元気なサインです。実際に妊娠後期で行うNSTモニターでは、一定時間内に一過性頻脈が2回以上あることを元気なサインのひとつとして判断しています。

赤ちゃんが眠っているにもかかわらず心拍数160bpm以上が続く場合に最も疑われるのが、子宮内感染です。子宮内感染は子宮収縮を引き起こし、切迫早産や早産のリスクとなります。そのため、赤ちゃんの頻脈がみられる場合には、ママの血液検査や膣分泌液の検査なども行い、子宮内感染であれば早い段階で抗生剤の点滴をすることが必要です。

<徐脈が見られるとき>

徐脈とは、心拍数が正常値より遅い状態のことです。妊娠初期に徐脈が見られる場合は、流産となってしまうこともあります。

徐脈が頻回なときや持続するときに懸念されるのは、赤ちゃんに酸素が行き届かない低酸素の状態。原因として考えられるのは、赤ちゃんに臍帯(さいたい)が巻きついていたり、赤ちゃんと子宮との間に挟まれて圧迫されたりといった臍帯因子のほか、胎盤の機能低下などです。赤ちゃんの徐脈が見られる場合には、圧迫を解除するためにママの体の向きを変えたり、酸素を届けるためにママに酸素投与を行ったりします。それでも回復しない場合、妊娠22週を超えていれば緊急帝王切開も検討されるでしょう。

なお、赤ちゃんの徐脈が子宮収縮によるもので、すぐに回復する場合には、正常な反応と判断されることがほとんどです。

<不整脈があるとき>

胎児不整脈は、ほとんどのケースでは治療を必要としません。しかし、なかには赤ちゃんの心不全や死亡につながるものもあるため、妊婦健診では不整脈がないかのチェックとともに心機能の評価なども行われます。

胎児の心音を家庭で聞く方法

赤ちゃんはお腹のなかにいるため、目で様子を確認できません。そのため、「赤ちゃんは元気なのか知りたい」「胎動がまだ分からないから不安で…」という思いを抱くママも多いでしょう。

そんな方におすすめしたいアイテムが、家庭用に販売されている超音波ドップラー。通販サイトなどで購入できますし、レンタルもあります。自宅で簡単に赤ちゃんの様子をチェックできるため、不安が減ったという声も多いですよ。

胎児の心音チェックにおすすめのアイテム

自宅で心音チェックできるアイテムは、ママの不安解消に役立つだけでなく、赤ちゃんと向き合う時間をつくるためにもおすすめ。普段妊婦健診に来られないパパや、これからお兄ちゃん、お姉ちゃんになる予定の上のお子さんと一緒にチェックしてみるのもいいですね。ここからは、赤ちゃんの心音チェックができるアイテムやツールをご紹介します。

エンジェルサウンズ

液晶画面に心拍数が表示されるため、心音だけではなく心拍数もチェックすることが可能です。「エンジェルサウンズ」のタイプは4種類。人気のスタンダードタイプのほか、ミニサイズのものや、スピーカーつきのものなどがあります。また、液晶画面・スピーカーと、お腹にあてる部分が別々になっているタイプは、仰向けになりながら目の前で心拍数を確認したいときに便利です。

ベビーサウンド

コンパクトなデザインの「ベビーサウンド」は、携帯して使用することが可能です。単4電池2本で、連続して8時間以上の使用ができます。ヘッドホンソケットが2つあるため、赤ちゃんの心音をパパと一緒に確認できることもポイントです。

スマイルサウンド

液晶画面が大きくバックライトもついているため、心拍数を見やすいことが特徴です。スピーカータイプになっており、赤ちゃんの心音を家族で聞くことができます。イヤホンジャックもあるため1人で静かに聞きたいときにも便利ですよ。

アプリ

スマホに内蔵されたマイクを使って、心音や胎動などの音を聞けるアプリもあります。超音波ドップラーと比べて「難しい」「コツが必要」という声も聞かれますが、より気軽にチェックしたい方は利用してみるのもいいかもしれませんね。

赤ちゃんの様子を心拍・心音でチェックしてみよう

赤ちゃんの心拍・心音がいつから確認できるのかなどについてご説明しました。専用のアイテムなどがひとつあると、ママも安心できるでしょう。赤ちゃんのことをもっと知りたい場合には、NIPT(新型出生前診断)という方法もあります。ママの血液のみで性別や染色体異常などを調べる検査で、赤ちゃんへの負担がないことが特徴です。NIPTをご希望の方は、ぜひ1度「プレママクリニック」にご相談ください。

Pagetop