エコー写真はこう見る!「CRLって?」妊娠初期の頃にマスターしたい略語一覧&エコー写真のチェックポイント
妊婦健診の超音波検査でもらえることが多いエコー写真。お腹の中の赤ちゃんが育っていく様子が愛おしいですよね。
写真を見ていて、ふと「CRL」などのアルファベットに気づき、「このアルファベットは何?」と思った経験のあるママやパパも多いのではないでしょうか。また、妊娠初期から見聞きすることが多い「頭殿長(とうでんちょう)」という馴染みのないワードに「?」が浮かぶこともあるはず。実はアルファベットと頭殿長はつながりのある言葉なんです。
今回は、妊娠初期にマスターしたいエコー写真の見方をお伝えします。
頭殿長(CRL)って何?
まずは頭殿長について知っていきましょう。
頭殿長とは、お腹の中にいる赤ちゃんのサイズのひとつ。「赤ちゃんの頭の先からお尻までの距離」を表したもので、妊娠6週ごろから超音波検査で測定することができます。
エコー写真などではよくCRLと表されていて、Crown(頭の先) 、Rump(お尻)、 Length(長さ)の頭文字をとった略語となっています。
頭殿長は赤ちゃんの成長がわかるだけでなく、出産予定日の割り出しにも使うことができるんです。とくに妊娠8~11週目あたりは個体差が少なく、出産予定日を計算するのに適した時期。超音波検査で映る赤ちゃんやエコー写真のCRLを確認し、先生に聞いてみると、出産予定日を教えてもらえるかもしれませんよ。
なお、出産予定日は最終月経や月経周期などから割り出す方法もあります。しかし月経周期が不安定であったり、最終月経日が不確かな場合もあったりするため、エコー写真による割り出し方法が優先されています。
頭殿長以外のアルファベットが示すものは?
エコー写真には、CRL以外にもたくさんのアルファベットの記載があります。これらも赤ちゃんや妊娠に関する大切な情報なので、知っておくとエコー写真をより理解しやすくなりますよ。
なお、エコー写真を撮影する超音波検査には、経腟エコーと経腹エコーがあります。妊娠初期は経腟エコーで、膣内にセンサーを挿入して超音波検査を行います。妊娠12週ごろになると、お腹の上からセンサーを当てて検査する経腹エコーを行っていくケースが多いようです。エコーの種類によって測定できる範囲も異なります。
それでは、エコー写真で見かけることの多いアルファベットを解説していきましょう!
GS
「gestational(妊娠)sac(袋)」の略語で、胎嚢のサイズを表しています。妊娠初期に妊娠しているかを超音波検査で確認する項目のひとつです。
AC
ACは「abdominal(腹部の)circumference(周りの長さ)」の略語。体幹周囲長や腹部周囲長と呼ばれており、赤ちゃんのお腹の周りの長さを表しています。
AFI
AFIは「amniotic fluid(羊水)index(指数)」の略語。羊水指数や羊水インデックスと呼ばれており、羊水の量を示す指標となっています。
GA(AGE)
「Gestational Age」の略語で、妊娠週数(在胎期間)を表しています。「○w△d」と表示され、妊娠○週△日を意味します。ただし、超音波検査(エコー検査)での計測値にもとづいた週数のため、実際の妊娠週数と異なることも。AGEも同じく妊娠週数を示しています。
BPD
BPDは「biparietal(両頭骨頂)diameter(直径)」の略語。大横径と呼ばれ、頭の左右の幅を示しています。妊娠12週以降、妊娠週数や出産予定日を割り出すときに使うのがBPDの値です。
FL
FLは「femur(大腿骨)length(長さ)」の略語。赤ちゃんの大腿骨の長さを表します。妊娠初期に計測されることは少ないようです。
EFW
EFWは「estimated fetal(胎児)weight(体重)」の略語。赤ちゃんの推定体重を示しています。BPD・AC・FL(太ももの長さ)から算出される値です。
EDD
EDDは「estimated(推定)due(予定)date(日)」の略語で、分娩予定日を表しています。胎児の大きさから算出されますよ。
SD
SDは標準偏差と呼ばれるもので、赤ちゃんのサイズが基準値と比べてどのくらい離れているかを表す数値です。標準とぴったり同じ場合は「0.0SD」となり、大きい場合は「+〇〇SD」、小さい場合は「-○○SD」となります。なお、妊娠週数別の胎児体重の基準値はインターネットで検索するとグラフで確認することも可能です。
妊娠初期に週数ごとでチェックしたいポイント
妊婦健診のたびにエコー写真に写るわが子はどんどん大きくなっていきます。小さな丸だった胎嚢も成長し、しだいに人間らしい形に。ここでは、妊娠初期にチェックしたいポイントを週数ごとにご紹介しましょう。
妊娠4~7週頃:胎嚢や卵黄嚢、胎芽が確認できる
妊娠がわかるのが、だいたい妊娠4週目あたりから。超音波検査で最初に確認できるのはGS(胎嚢)です。子宮の中に、小さな黒い丸として映りますよ。
妊娠5~6週目あたりになると、胎嚢の中に白く指輪のようなものが映るようになります。卵黄嚢(らんおうのう)と呼ばれるもので、妊娠早期の胎児の栄養分で、お弁当箱のような存在です。さらに成長していくと、近くに胎芽(胎児になる前)が見えるようになり、心拍が確認できるようになります。
妊娠8~11週頃:心拍やCRLが確認できるように
多くの胎児で心拍が確認されるのが、妊娠8週目ごろ。小さい心臓がピクピクと動いているのが確認できるでしょう。心拍が確認できると、高確率で妊娠が継続できるといわれています。
この頃から、だんだんと赤ちゃんらしい形に。ピーナッツのような頭と胴体に、手足もついて、まるでぬいぐるみのようにも見えるかも?!
この時期にCRL(頭殿長)を計測し、順調に成長しているかを確認していきます。妊娠9週ごろで平均20~30mm、ちょうどいちご1個くらいの大きさに。
妊娠12週頃~:胎盤が完成し、推定体重なども計測可能に
胎盤が完成し、赤ちゃんはへその緒を通じてママから栄養をもらいはじめます。羊水の量も増えてきますよ。赤ちゃんの成長に伴い、頭の大きさをはじめ、お腹や大腿骨の長さなどを計測して推定体重も算出できるようになります。成長していることがわかる計測可能な数値が増えていきますね。
なお、赤ちゃんの成長には個人差があります。妊娠週数を表で一覧にしたものなどで目安を確認し、心配があれば妊婦健診の際に質問してみると良いですよ。
超音波検査やエコー写真から性別はわかる?
超音波検査では、赤ちゃんの大きさや形がわかるほか、外性器によって性別が判明する場合も。ただし超音波検査のタイミングで背を向けていたり丸まっていたりと、体勢によっては確認できないことがあります。中には生まれてくるまでわからない場合もあるんですよ。
また、もし外性器が確認できたとしても、まれに性別が違っていたというケースもあります。超音波検査は、技術の進歩に伴い2Dから4Dと高性能になりつつありますが、正確な性別を知るには限界があるようです。
「生まれる前に赤ちゃんの性別を知りたい」というママパパは多いでしょう。なるべく早く、正確に性別を知るためには、NIPT(新型出生前診断)を受けることもひとつの手です。
妊娠10週から受検ができる検査で、血液検査だけで、赤ちゃんの性別だけでなく障害の可能性などを知ることができます。採血のみでOKなため、母子ともに負担が少なく流産のリスクもないことが特徴です。
「超音波検査やエコー写真ではなかなか性別がわからない」「出産前にはっきりと性別を知りたい」といった方は、ぜひNIPTも検討してみてくださいね。
エコー写真の見方を知れば妊婦健診がもっと楽しみに!
超音波検査でなんとなく赤ちゃんの成長を感じるよりも、エコー写真によって読み取れる内容が理解できていると、マタニティライフの楽しみはさらに増えるでしょう。また、エコー写真のアルバムを作るのもおすすめです。エコー写真と略語から読み取った多くの情報をきれいにまとめておけば、良い思い出の品になりますよ。