【羊水検査とは?】NIPTで陽性結果後に羊水検査ができるクリニック・病院、徹底的に調べました
NIPT(新型出生前診断)は、非確定的検査に分類されるスクリーニング検査。ときに、「偽陽性」や「偽陰性」となる可能性があります。そこで、判定結果を確定させる確定的検査のひとつとして、羊水検査があります。今回は、その羊水検査について解説するとともに、検査の流れや安全性などを、より詳しくご紹介します。後半では、NIPTで陽性判定が出た場合に羊水検査が受けられる病院もピックアップしたので、ぜひ参考にしてみてください。
羊水検査ってどんな検査?
羊水検査は、子宮の内部を満たす羊水を採取し、その中に浮遊する赤ちゃんの細胞を調べる検査で、15~16週目から受けることが可能です。【確定的検査】のひとつで、赤ちゃんの細胞を直接調べることで、NIPTよりさらに詳しく赤ちゃんの状態を知ることができます。
羊水検査の特徴として、染色体疾患全般を調べられますが、ごくわずかな欠失や重複は調べきれない場合もあります。例えば、胎児の先天性疾患の有無など、すべての疾患や異常について判断できるわけではありません。
さらにママのお腹へ直接針を刺して羊水を採取するため、胎児への接触リスクや流産、死産などのリスクがあります。また、針をお腹に刺す際の痛みが気になる方向けに、局所麻酔をしてくれるクリニックもあるようです。
羊水検査の検査方法は4種類ある
羊水検査には4つの検査方法があります。一般的なのは「染色体分染法」で、最も精度が高いのは「マイクロアレイ法」です。
●染色体分染法
染色体のしま模様を、蛍光色素を使ってはっきり見えるようにして調べる方法。人間の46個の染色体はすべて確認することができます。最も一般的な方法ですが、顕微鏡で見えないレベルの異常は見つけることができず、検出感度は高くありません。
●FISH法
染色体の一部分だけを蛍光染色で光らせて異常を見つける方法。特定の染色体異常を発見するもので、遺伝病の遺伝子や大きな重複、欠失は見つけることはできますが、遺伝子レベルの小さな欠失は検出できないこともあります。
●マイクロアレイ法
マイクロには「小さい」、アレイには「配列」という意味があります。染色体を細かくして、小さな点の配列を観察しながら染色体異常を調べる検査です。「染色体分染法」の100倍ほど細かく精密に調べることができます。
●qf-PCR法
染色体の一部をPCRで増やして調べる方法です。特定の染色体異常が疑われる際に、それぞれの異常を調べる検査キットも販売されています。
羊水検査は誰が受けるもの?
羊水検査は通常、NIPTや母体血清マーカーテストなどの【非確定的検査】で陽性判定が出たときに、必要に応じて受けることがほとんどです。羊水検査のリスクや検査精度を正しく理解し、パートナーとの同意のうえで受ける必要があります。
●羊水検査を受けるのはこんな場合
・NIPTで陽性判定が出た
・夫婦どちらかに染色体異常保因者がいる
・ダウン症をかかえた赤ちゃんの出産を経験している
・ママが高齢妊娠にあてはまる
羊水検査の検査費用はどれくらい?
では、羊水検査を行う費用はどれくらいかかるのでしょうか。羊水検査にかかる費用には保険が適用されず、すべて自己負担となります。医療機関で差はありますが、約10~20万円が相場となるようです。
ちなみにプレママクリニックでは、NIPT受検後の確定診断検査である場合に限り、あらかじめ共済オプションに入っていただいた方に対しては、20万円までを上限に【羊水検査費用の補助】を受けられるので、負担額を抑えることができますよ。
羊水検査の流れ
羊水検査当日の流れは、以下のようになります。
1.エコーで赤ちゃんの様子を確認する
2.ママのおへその下あたりに針を刺す
3.羊水を採取する(20mlを20秒ほどかけて1回採取)
4.再びエコーで赤ちゃんが正常かを確認する
5.30分ほど安静にし、赤ちゃんに問題がなければ終了
羊水検査後、2~3日は自宅で安静にしておきましょう。
採取後は、採取した羊水内にある赤ちゃんの細胞を培養し、検査が行われます。培養までに2週間、さらに検査・判定に1週間ほどかかるので、結果が出るまでおよそ3週間は必要です。
羊水検査を受ける前の注意点
羊水検査をこれから受けようと考えている方は、羊水検査の特徴を正しく理解しておく必要があります。ここでは、受検前の注意点について見ていきましょう。
●正常を保障するものではない
異常が見つかった場合はほぼ100%異常と診断されてしまいますが、逆に「正常」と診断されても、100%正常であるかはどうかまではわかりません。あくまで異常を調べる検査であることを理解したうえで受けるようにしましょう。
●結果が出ないことも
羊水検査で細胞を検査する際には、最低限の細胞数が必要です。羊水検査で採取する羊水内に含まれる赤ちゃんの細胞はごくわずかなので、細胞を培養して増やしてから検査に入ります。しかし、細胞が増えなかった場合や、そもそも羊水がうまく採取できなかった場合には、結果が出ないことも。週数に余裕がある場合なら、再度羊水検査を受けられるようです。
羊水検査を受ける割合は?
羊水検査を検討中の人にとっては、検査を受ける割合がどれくらいか気になりますよね。
河合蘭・ベビカム共同の調査による「出生前診断のニ-ズに関するアンケート2020」の結果では、回答者448名のうち、羊水検査を受けた人の割合は35歳未満の方で3.5%、35~39歳では4.2%、40代以上では15.9%という結果なりました。
年齢が上がるにつれ、出征前診断を受けたい、というママが多いことが顕著に出ていますね。
【東京23区】NIPTで陽性が出たあとに羊水検査ができる病院
東京23区には、NIPTで陽性結果が出たあとに羊水検査が受けられるクリニック・病院がたくさんあります。今回は、その中から25施設をエリア別にまとめました。
プレママクリニックでNIPTを受検したあとも、このような施設ならより詳しい検査ができるので安心ですね。
●【港区】
広尾 峰岸産婦人科
医療法人社団恵寿会 赤坂見附宮崎産婦人科
学校法人慈恵大学 東京慈恵会医科大学附属病院(母子医療センター)
●【練馬区】
公益社団法人地域医療振興協会 練馬光が丘病院
●【墨田区】
社会福祉法人 同愛記念病院財団 同愛記念病院
●【渋谷区】
広尾レディース
日本赤十字社 日本赤十字社医療センター
●【大田区】
産婦人科瀬尾医院
●【新宿区】
東京医科大学病院
学校法人 慶應義塾大学病院
●【世田谷区】
等々力産婦人科
一般社団法人 至誠会第二病院
社会福祉法人康和会 久我山病院
医療法人準和会 東京マザーズクリニック
●【目黒区】
医療法人社団晴晃会 育良クリニック
●【千代田区】
社団法人 東京都教職員互助会 三楽病院
学校法人 日本大学病院
FMC東京クリニック
●【杉並区】
立正佼成会附属佼成病院
●【板橋区】
公益財団法人東京都保健医療公社 豊島病院
学校法人 日本大学医学部附属板橋病院
学校法人帝京大学 帝京大学医学部附属病院
●【中央区】
学校法人聖路加国際大学 聖路加国際病院
●【品川区】
学校法人 昭和大学病院
●【江戸川区】
葛西産婦人科
羊水検査を実施している施設の中には、紹介状や、転院が必要なケースも。もちろん検査のみOKという施設もありますよ。詳しくは、各施設に直接お問い合わせください。
次のステップで受けられる検査の施設を知っておく・調べておくと、心持ちも違います。NIPT受検後の対応については、プレママクリニックでもしっかりサポートしていますのでご安心ください。
NIPT陽性後のこともパートナーと話し合っておくことが大切
今回は羊水検査について解説するとともに、NIPT陽性後にも検査が可能なクリニック・病院についてもご紹介しました。確定検査として分類されている羊水検査でも、すべての遺伝子の異常を調べることはできません。検査のリスクや内容をしっかりと理解したうえで、本当に受けるべきか検討してみてくださいね。
また、受ける場合も陽性判定が出たときに中絶するのか、出産する覚悟を決めて環境を整えるのかなど、もしものときを想定してパートナーと意見交換をしておくことも大切ですよ。