妊娠中に関するコラム

NIPT検査(新型出生前診断)ってどんなもの?検査でわかること、メリットや費用も紹介

赤ちゃんの染色体疾患について調べるNIPT検査。最近では、「検査をしてきた」というブログやSNSを見かけることも多くなってきましたね。そこで今回は、赤ちゃんのことをよく知りたいという方に向けて、NIPT検査についてわかりやすくまとめました。「よく聞くけれど実際にどんな検査かわからない」「デメリットもあるのでは」「費用面が心配」など、さまざまなお悩みを解決していただける内容となっています。

NIPT検査ってどんなもの?

NIPT(新型出生前診断)検査とは、妊娠中に母体血を用いて行う遺伝学的検査を指します。検査の名前は、無侵襲的出生前遺伝学的検査を意味する“Non-Invasive Prenatal genetic Testing”の頭文字をとったもの。主に、染色体疾患の可能性が高いか低いかを知る目的で行われています。

NIPT検査は、ママの血液のみを用いて行うことから、ママと赤ちゃんにとってリスクが少ないと注目されている検査です。ママの血液中に存在するママ・赤ちゃんのDNA断片のうち、2~40%が赤ちゃん由来。その赤ちゃん由来のDNA断片を用いて、染色体疾患の可能性を調べます。

●いつから受けられる?

NIPT検査を受けられる妊娠週数の目安は10週目以降。理由は、ママの血液中に赤ちゃん由来のDNA断片が認められるのが、その時期であるからです。それ以前の妊娠週数では、検査をするために十分なDNA断片が循環しておらず、正しい検査ができません。そのため病院やクリニックでは、妊娠10週目以降にNIPT検査を行うことがほとんどです。

一方で、いつまでにというリミットはありません。ただし、NIPT検査は非確定的検査であり、疾患の可能性が高いか低いかを調べるものであって、確定するものではないことを考慮すると、できるだけ早い時期に行うのがいいでしょう。

確定検査である羊水検査を受けられるのは、妊娠15週目以降。妊娠期のどの時期でもNIPT検査は可能ですが、妊娠15週目頃までに受けておくと次の検査にスムーズに進めます。

●NIPT検査によりわかること

NIPT検査では、トリソミーや性染色体異常、微小欠失症の検査のほか性別判定が可能です。NIPT検査で調べられるもののうち、トリソミー・性染色体異常・性別の検査についてまとめました。

常染色体異常(13・18・21トリソミー)検査

ヒトの細胞に存在する46本の染色体は、2本で1組(23対)となっています。男女で共通するのは、23対のうち22対。これらを常染色体と呼び、大きい順に番号を振っています。通常2本であるはずの常染色体が、3本存在するにより起こる先天異常がトリソミーです。

NIPT検査では、13番目・18番目・21番目の常染色体が3本存在する、13トリソミー・18トリソミー・21トリソミー(ダウン症候群)の検査ができます。

性染色体異常検査

23対のうち、常染色体にあたらない23番目の染色体が、性染色体です。精子と卵子からの性染色体が対になることで、性別が決まります。性染色体がXYであれば男の子、XXであれば女の子です。

NIPT検査では、ターナー症候群やクラインフェルター症候群、トリプルX症候群などの性染色体異常について調べられます。ターナー症候群は、XXのうち片方が全部または1部欠失している状態です。また、クラインフェルター症候群は性染色体がXXY、トリプルX症候群はXXXとなっています。これらは、性発達の遅れや知的障害など、さまざまな特徴が見られることもある症候群です。

性別判定

NIPT検査を受けると、染色体異常と併せて性別も調べられます。エコー検査で性別がわかるタイミングは、一般的に妊娠16週目以降。ただし、赤ちゃんの位置や姿勢により、性別がなかなかわからないこともあります。一方、NIPT検査は妊娠10週目以降から受けられるため、赤ちゃんの性別をいち早く知りたい方にもおすすめです。

NIPT検査のメリットとデメリット

NIPT検査にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。それぞれわかりやすくご紹介していきます。

●NIPTのメリット

NIPT検査のメリットのひとつは、妊娠10週目以降の早い段階で調べられること。赤ちゃんの状態が早期からわかるため、そのあとの妊娠生活について考えたり、準備したりする時間を長くとれるでしょう。また、ママと赤ちゃんの両方にとって侵襲が少なく、短時間で検査ができることも特徴です。確定検査である羊水検査は、ママのお腹に針を刺して羊水を採取する必要があるため、流産のリスクがあります。しかし、NIPT検査はママの血液のみで検査可能なため、流産のリスクがありません。

NIPT検査は、その正確性も大きなポイント。常染色体異常の検出精度は99.9%を超えています。また、性別についても99.9%以上の精度で判定が可能です。

●NIPTのデメリット

NIPT検査は、生まれてくる赤ちゃんのすべての疾患を調べられるわけではありません。そ

のため検査で陰性の場合でも、赤ちゃんがなんらかの病気を持って生まれてくることがあります。また、きわめてまれなケースですが、「検査で陰性だったのにトリソミーだった」ということも。偽陰性(実際には染色体疾患があるにもかかわらず陰性の結果)が出ることも、ないわけではありません。あくまでも非確定的なスクリーニング検査の位置づけであり、疾患の可能性が高いのか低いのかという診断にとどまることも、デメリットといえるでしょう。NIPT検査で陽性となった場合、疾患の確定をするためには羊水検査が必要となります。

また、施設によっては、検査を受けるための制限がある場合も。出産時の年齢が35歳以上である、エコー検査などで染色体疾患の可能性が指摘されている、などを満たす方のみしか受けられないこともあるため、確認が必要です。

NIPT検査に対する海外と日本の認識の違い

注目を集めているNIPT検査ですが、海外と日本で認識の違いはあるのでしょうか。アメリカ・イギリス・日本を比較してみましょう。

・アメリカ

病院では、妊婦健診時に出生前診断のパンフレットを全員に配布しています。パンフレットの内容は、出生前診断の種類や選択肢、確率など。通常の検査として扱われていることから、多くの方がNIPT検査を受けており、費用は保険適用となっています。

・イギリス

女性に自主的選択の機会を与えるため、妊婦さん全員に対してスクリーニング検査を推奨しています。保険適用外となっていますが、受ける割合は約9割。多くの方がNIPT検査を受けているといえます。

・日本

日本では2013年に導入されました。まだ一般的な検査として認知されていませんが、検査を受ける方が徐々に増えてきています。費用は保険適用外。クリニックによっては、年齢やエコーでの異常、染色体異常のリスクがあるなど、条件が定められている場合もあります。

このようにNIPT検査は、日本とは違い、アメリカやイギリスなどでは一般的な検査として認識されているのです。

実際にNIPT検査を受ける際の流れ

実際に検査がどのように進んでいくのか、気になる方もいるでしょう。ここでは、当院、プレママクリニックの場合を例に検査の流れをご紹介します。

●予約

プレママクリニックでは、検査は完全予約制となっており、Web上でのマイページ登録が必要です。マイページ登録後に出産予定日を選択すると、妊娠10週以降の予約可能な日が算出されるので、希望のクリニックと診察日時を選択して予約を確定します。マイページの必須項目の入力は検査当日までに行っておきます。

●来院・採血

予約した日時にクリニックに行きます。当日は、医師の診察を受けてから採血に移ります。クリニックへの来院は、検査を受ける方1人でも可能です。

●結果報告

検査結果が出るのは、検査後10日~2週間前後です。通知メールが届くと、マイページで検査結果PDFが確認できます。検査結果の郵送を希望される場合には、オプションで追加が可能です。

NIPT検査の費用相場は?

NIPT検査には、基本検査と全染色体検査があります。NIPT基本検査とは、13・18・21トリソミーの可能性のみを調べるもの。それに対してNIPT全染色体検査には、性染色体や微小欠失などの検査も含まれています。都内にある15のクリニックから費用相場を算出すると、NIPT基本検査は100,000~200,000円(税込)、NIPT全染色体検査は170,000~250,000円(税込)。あくまでも相場ですが、NIPT検査を受ける際はそれなりの費用がかかります。

プレママクリニックのNIPT検査の費用は、13・18・21トリソミーのうちどれか1つを選べるライト検査が55,000円(税込)、全染色体を調べるフルセット検査が110,000円(税込)です。誰もが受けやすい料金設定に努めています。

NIPT検査はママと赤ちゃんにとってリスクの少ない検査

ママの血液で調べられることから、NIPT検査はママと赤ちゃんにとってリスクが少ない検査といえます。しかし、費用が高額であるため躊躇してしまう方もいるでしょう。

「プレママクリニック」のNIPT検査は、誰もが受けやすい料金設定となっています。年齢やエコー検査の所見など検査を受けるための制限がなく、妊娠10週目以降の方であれば検査が可能です。オンライン診療なども行っていますので、NIPT検査をご検討中の方はぜひご相談ください。

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