「遺伝カウンセリング」が出生前診断に絶対必要は嘘?どんなことを聞かれる?
「遺伝カウンセリング」というカウンセリングをご存じでしょうか?これは、遺伝に関係するさまざまな悩みを相談したり、遺伝性の疾患について説明を受けたりできる場のことを指します。
NIPT(新型出生前診断)などの出生前診断の受検前に行うと、検査でわかることやわからないこと、判定が出た後の対応などを、受検を踏まえた内容で詳しく相談ができますよ。
ここでは、NIPTでの遺伝カウンセリングについてご紹介していきます。NIPTの受検を悩まれている方や遺伝カウンセリングについて知りたい方はぜひ参考にしてくださいね。
遺伝カウンセリングって?どんなことをするの?
遺伝カウンセリングとは、染色体や遺伝子が関係する疾患や特性について相談できる場です。遺伝カウンセラーや臨床遺伝専門医などの専門的な知識を持ったスタッフが相談にのってくれるため、「自分で調べてみたけどよくわからない」「こういったケースはどうしたらいい?」といった個々の疑問にも答えてもらうことができます。
NIPT(新型出生前診断)の受検前にも遺伝カウンセリングを受けるママ・パパは少なくありません。NIPT受検前に遺伝カウンセリングを受けることで、より正しい知識を持って受検できること、判定後の対応をあらかじめ考えておけるなどのメリットが多くあります。
施設によってはNIPT検査前後にカウンセリングが受けられたり、検査後に希望者のみカウンセリングを受けられたりするところもあります。
プレママクリニックではNIPT受検前に1時間ほどお時間をとり、マンツーマンでしっかりとNIPTに関する説明や相談の機会を設けています。疑問点を解消し、不安を取り除いてから検査に進めるようサポートするのでご安心くださいね。
NIPTにおける遺伝カウンセリングの内容は?
NIPTでの遺伝カウンセリングの内容はどのようなものか、気になりますよね。実際にどのような話をするのか、主な内容をご紹介しましょう。カウンセリングの内容を知っておくと、質問をまとめておくことなどもできますよ。
●なぜこの検査を受けようと思うのか
「問診」とも呼ばれる内容で、ママやパパがどうしてNIPTを受けようと思ったのかを詳しくお聞きします。ほかにも妊娠の状況や、不安に思っていることなどを確認します。「こ
んなこと聞いてもいいのかな…」などと躊躇することなく、少しでも心に引っかかることがあればお話しくださいね。カウンセリングは常にママ・パパに寄り添って進めていきます。
●検査の方法と、その検査で何がわかるのか
NIPTの検査は血液検査で行います。採血のみの検査なので流産のリスクはありませんが、もし検査方法に不安があれば、遠慮なくご相談ください。
また、検査によってわかることもお伝えします。NIPTの検査でわかるのは、お腹の中の赤ちゃんの染色体異常や性別など。染色体異常によってどのような疾患がわかるのかもお話しします。事前に調べて来院されるママ・パパもいらっしゃいますが、ここで今一度確認しておきましょう。
●どの検査を受けるのか、あるいは検査を受けないか
プレママクリニックでは2つのプランを用意しており、それぞれ検査項目が異なります。どの検査を受けるのか、また、受けない検査についてもお話しさせていただきます。
この検査でどのような疾患がわかるかなどを含めてお伝えしますが「ここをもう少し詳しく知りたい」といったことがあれば、質問をお受けいたします。
●検査の結果(陰性/陽性など)がどんな意味を持つのか
検査結果が陰性であること、あるいは陽性であることの意味をご説明します。NIPTは非確定検査のため、疾患の可能性が高い、もしくは低いという診断にとどまります。診断を確定させたい場合は、羊水検査などを受けて確定診断を受けなければなりません。
●検査の結果を受け、どう判断(意思決定)、行動するパターンがあるか
受検後についても、NIPT受検前にお話しします。受検後でよいのでは?と思われるかもしれませんが、受検後は検査結果によって気持ちが動揺してしまうことも予想されます。受検前に検査についてしっかり理解するとともに、あらかじめ陰性・陽性それぞれの結果が出た後のスケジュールや行動パターンをお話ししておくことが大切です。
特に、陽性だった場合は、妊娠の継続か人工妊娠中絶かといった大きな判断も伴います。専門家を交え、しっかり話し合っておきたいものです。ただし、あくまでもカウンセリングはママ・パパの気持ちを汲み取り、意思決定のサポートを行う場。納得できる道をご自身で決めていきましょう。
ここでご紹介したのは遺伝カウンセリングの一例です。
施設によってカウンセリング体制は異なる場合もあるため、カウンセリングを受けたい場合はその施設に問い合わせてみてくださいね。
プレママクリニックでは、よくあるご質問はホームページでもご紹介しています。さらに詳しくお聞きになりたい場合は、お気軽にお問い合わせください。
遺伝カウンセリングが受けられるのはどこ?
遺伝カウンセリングは、遺伝カウンセラーなどの専門家が在籍している医療施設で受けられます。かかりつけ医がある場合は、まずはそちらで相談してみましょう。
また、「遺伝子医療体制検索・提供システム」から全国の施設を検索することもできます。
こちらに掲載されていない場合でもカウンセリングを行っている施設はあり、ケースによってはオンライン相談ができる場合もありますよ。お腹の中に赤ちゃんがいるため外出は極力控えたいママなどは、活用してみると良いでしょう。
なお、いずれの施設でも遺伝カウンセリングは保険適用外で自費診療となります。料金は施設によってさまざまで、カウンセリング時間によって変動する場合も。一般的には1回5,000~10,000円のところが多いようです。特定の遺伝性疾患では遺伝カウンセリングに保険が適用される場合もありますが、NIPTはこれには該当しません。
多くの施設で受検前の問い合わせを推奨しているため、検討したい施設があれば直接聞いてみるのがおすすめですよ。
NIPTの遺伝カウンセリング、メリットは?デメリットはある?
遺伝カウンセリングはメリットが多い検査だとお伝えしましたが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。また、デメリットはないのでしょうか。
●メリット
・疑問点を解消し、不安を取り除いてから検査に進める
・検査結果をよく理解できる
・ご自身や家族の意思決定を引き出せる
・陽性だった場合の対応をあらかじめ決めておける
・先天異常の可能性のある赤ちゃんの子育てを事前に調べておける
●デメリット
・遺伝カウンセリングを行っている施設が少ない
・保険適用外のため自費診療となる
・紹介状が必要な場合がある
遺伝カウンセリングにはデメリットもありますが、メリットの方が多いことがわかりますね。遺伝カウンセリングを受けることで、NIPTを前向きな気持ちで受検できるようにもな
ります。自費診療ではありますが、NIPTの受検がより有用になる時間、お金と考えると良いかもしれません。
NIPT受検前には遺伝カウンセリングも検討しよう
日本ではNIPTを登録するシステムがないため、NIPT受検前に遺伝カウンセリングを受ける割合まではわかっていません。しかし、メリットの多さから見ても、NIPTの受検前に遺伝カウンセリングを受けることはおすすめだといえるでしょう。これからNIPTを受検される方は、ぜひ遺伝カウンセリングも検討してみてくださいね。