妊婦さん必見!夏の過ごし方のポイントやおすすめグッズをご紹介
気温だけでなく湿度も高い夏は、妊婦さんにとって過ごしにくい季節ですね。暑さによる夏バテなども起こりやすく、妊婦さんから「しんどい」「つらい」という声もよく耳にします。しかし、夏に注意が必要なのは、暑さだけではありません。今回は、夏の過ごし方の注意点や、その対策方法についてまとめました。現在妊娠中の方はぜひチェックしてください。
熱中症対策をしっかり行う
妊娠中は、妊娠前と比べて熱中症に注意が必要です。なぜ妊婦さんの熱中症リスクが高いのかを見ていきましょう。
熱中症のリスクが高い理由は?
妊娠中は、血液量が増えることを知っていますか?妊娠前の血液量は4,000ml程度。そして妊娠中の血液量は、約1.4倍の5,500ml程度に増加。これだけでも、妊娠前より多くの水分を必要としていることがわかるでしょう。
また、新陳代謝が上がり汗をかきやすくなることも、妊娠中の特徴です。暑い環境下において、体は体温を下げるためにさらに汗をかきます。なかでも特に注意が必要なのは、つわりで水分や食事が摂れていない方。もともと脱水傾向になっている可能性があることから、熱中症のリスクはさらに高いといえるでしょう。
脱水や熱中症は、妊婦さん本人だけの問題ではありません。赤ちゃんの循環不全を引き起こす可能性もあるため、しっかりと対策していくことが重要です。
熱中症の際に見られる症状は?
熱中症の主な症状は、大量の発汗・立ちくらみ・体温上昇(体が熱い)・頭痛・けいれんなどです。
重症度によって対応が変わりますが、発汗や立ちくらみなどの症状の場合は、水分を補給して体を冷やし、休んで様子を見てもいいでしょう。しかし、症状が改善しない場合や、頭痛・嘔吐・倦怠感・意識障害などを伴う場合は、医療機関の受診・治療が必要です。
熱中症の対策方法は?
まずは、ミネラルが含まれている麦茶や経口補水液などの水分を、しっかりと摂りましょう。これは、気温の高い屋外にいるときや、外仕事などをしているときに限ったことではありません。室内にいるときでも注意が必要です。
紅茶やコーヒーなどには、カフェインが多く含まれます。カフェインには利尿作用(水分を尿として排出する作用)があるだけでなく、胎児発育不全のリスクとなる可能性も。2~3杯程度なら赤ちゃんへの影響はないといわれていますが、脱水予防の観点なども考慮すると避けたほうがいいでしょう。紅茶やコーヒーが好きな方は、カフェインレスのものなどもあるので取り入れてみてください。
服装は、襟ぐりや袖口があいているデザインなど、風通しのいいものがおすすめです。外出時は帽子や日傘などを活用して、日光が直接当たらないようにしましょう。室内にいるときには、エアコンなしだと暑すぎる日もあります。冷えすぎに注意しながら適度に使いましょう。
お腹が大きくなってくる妊娠中期~後期は、寝苦しさを感じることも増えます。そこに暑さが加われば、なおさら快眠しにくくなるでしょう。冷感素材の抱き枕などを活用すると、快適に眠りやすくなりますよ。
【おすすめグッズ】
・カフェインレスのドリンク
・風通しのいい服装
・帽子や日傘
・冷感素材の抱き枕(妊娠中期~後期)
夏こそ体を冷やさない工夫が大切!
「冷え対策が必要なのは冬だけ」と思われがちですが、実は夏こそ冷え対策が重要。夏はエアコンの風やお風呂上がりの冷たい飲みものなど、冷えの原因が多くあるためです。妊婦さんの体が冷えやすい理由や、冷やさないための方法をご紹介します。
体が冷えやすい理由は?
妊娠中はホルモンバランスの変化によって、つわりや体調不良が引き起こされます。冷えと関係しているのは、体温調節を担っている自律神経です。体調を崩すと、自律神経が乱れて体温調節が難しくなります。また、大きくなったお腹に足が圧迫されて血流が悪くなることも、体が冷えやすい原因であるといえるでしょう。
体が冷えるとどんなトラブルがある?
体が冷えると、血流が滞りむくみやすくなります。また、子宮の筋肉が収縮してお腹が張りやすくなることも。さらに、腸の動きが悪くなり便秘・下痢、肩こりなどによる頭痛なども、冷えによるトラブルのひとつです。
体を冷やさないための方法は?
夏は、薄手の服装をする方が増えます。しかし、エアコンのきいた室内は意外と寒いもの。薄いカーディガンやストールなどが1枚あると、寒いときにさっと羽織れて便利です。
また、3つの首(首・手首・足首)を温めることも、冷え予防につながります。全身に血液を送る動脈が近くを通っているため、体を効率よく温められるでしょう。首は薄手のストール、手首はアームカバー、足首は長めの靴下やレッグウォーマーなどを使って温めます。
お風呂で体全体を温めるのもおすすめです。ただし、妊娠中はのぼせやすくなっていますので、お湯の温度を熱くしすぎないようにし、長時間の入浴は避けましょう。
妊娠初期には、ゾクゾクとした寒気を感じるケースも。その場合は、カイロの使用なども効果的です。妊娠中期~後期の妊婦さんでお腹の冷えを感じる方は、腹巻の使用も検討してみてください。「暑い」と感じる場合は、無理して使用する必要はありません。最近では、夏でも使いやすいメッシュタイプなどもあります。「夏も快適に腹巻を使いたい」という方は、試してみるのもいいかもしれませんね。
【おすすめグッズ】
・薄いカーディガン
・薄手のストール
・アームカバー
・長めの靴下やレッグウォーマー
・カイロ(特に妊娠初期に寒気を感じる場合など)
・通気性のいい腹巻(妊娠中期~後期)
妊娠中は夏バテのリスクも高い
妊婦さんは夏バテにも注意が必要です。夏バテしやすい理由や対策方法について、ご説明します。
夏バテしやすい理由は?
夏に注意したいのが、暑い室外と冷房のきいた室内の温度差。温度が低くなったことに気づくと、自律神経は体温を調節するためにはたらきます。しかし、このような状態が1日に何度もあると、自律神経が疲れてしまい、疲労感につながることも…。また、冷房がききすぎた室内に長くいることも、夏バテのリスクを高めるためおすすめできません。
水分不足も、夏バテの原因のひとつ。水分が不足すると汗をかきにくくなり、体温をうまく下げられません。症状がひどい場合には、熱中症につながることもあります。
夏バテするとどんな症状がみられる?
夏バテの主な症状は、倦怠感や疲労感です。なんとなく体がだるいと感じる日や、疲れの取れない日が続きます。自律神経の乱れによる消化機能の不調も特徴です。食欲低下によりエネルギーやビタミンが不足し、倦怠感や疲労感が増幅するという悪循環に…。
夏バテの対策方法は?
水分・塩分をしっかりと補給するように心がけてください。冷え対策としては、前述の靴下やレッグウォーマー、薄いカーディガンなどの活用がおすすめです。
夏バテ対策は、食生活の見直しも重要なポイント。「まごわやさしい」の食材をバランスよく摂取します。
【まごわやさしい】
ま:豆類
ご:ごま、ナッツ類
わ:わかめなどの海藻類
や:野菜、根菜
さ:魚類
し:しいたけなどのきのこ類
い:いも類
自律神経を整えるとされるビタミンB群も、ぜひ意識して摂りましょう。納豆・豚肉などに含まれます。
妊娠初期は、つわりで食事がなかなか摂れないこともあるでしょう。その場合は、ゼリーなどの食べやすいものを用意しておくといいですよ。
【おすすめグッズ】
・薄いカーディガン
・長めの靴下やレッグウォーマーなど
・通気性のいい腹巻(妊娠中期~後期)
・ゼリーなどの食べやすいもの(妊娠初期)
しみ・そばかすにも注意!
夏には、海やキャンプに行ったりお祭りに参加したりと、日光を浴びる機会が多いですよね。夏の楽しむときに気をつけたいのが、紫外線対策。妊婦さんはなぜ、しみ・そばかすができやすいのでしょうか。
妊娠中にしみ・そばかすができやすい理由は?
妊娠中に分泌量が増えるエストロゲンとプロゲステロンは、メラノサイトを活性化させる作用があると考えられています。メラノサイトはメラニンをつくる細胞。そのため、妊娠中はしみ・そばかすが目立つだけでなく、新たなしみ・そばかすができやすい状態に。このことから、妊婦中は特に紫外線対策が重要です。
しみ・そばかすをつくらないための対策方法は?
毎日日焼け止めを使用しましょう。普段の生活であればSPF15~25程度・PA+~+程度、海に行くときはSPF50+(50以上)・PA+++~++++程度の記載があるものがおすすめです。また、美白美容液などを利用するのもいいでしょう。ただし、妊娠中は肌が敏感になっていますので、低刺激のものを選んでください。
熱中症予防のところでご紹介した帽子や日傘なども、紫外線対策のひとつ。日焼け止めと併用して、上手にしみ・そばかすを予防しましょう。
【おすすめグッズ】
・日焼け止めや美白美容液など
・帽子や日傘
しっかりと対策して夏のトラブルを予防しよう
妊婦さんにとって夏は、夏バテや冷えなどのトラブルが起こりやすい季節です。ご紹介した対策方法を参考に、より快適に過ごせるように工夫していきましょう。
プレママクリニックは、NIPT(新型出生前診断)専門のクリニックです。妊婦さんの「知りたい」という気持ちにお応えできるよう、どなたでも受けやすい料金設定に努めています。妊娠・出産について不安なことがある方は、ぜひ当院にご相談ください。