妊娠が分かったら出生前診断は受ける?先輩ママたちの体験談
「出生前診断」の存在は知っていても、実際に受けるかどうか、悩む人は多いもの。特に日本ではまだ馴染みがなく、プレママたちの間でも直接会話に上がる機会は、そう多くはありません。ナイーブな内容にもなるため、SNSなどで体験談を見るにとどまることも多いでしょう。そこで今回は、出生前診断の基本情報から先輩ママたちの体験談までをまとめました。実際に受検したママたちの声と受検しなかったママたちの声のどちらもあるので、受検に悩んでいる方はぜひ参考にしてくださいね。
出生前診断とは
出生前診断とは、その名の通りお腹の中に赤ちゃんがいる段階で疾患などの診断を下すというもの。「出生前診断を受けると、お腹の中の赤ちゃんについて分かる」と、何となくの情報なら知っている方は多いと思います。確かに出生前診断では赤ちゃんの健康状態や疾患の可能性について知ることができますが、大きく分けて種類が2つあり、検査方法や分かることに違いがあるんですよ。
出生前診断の種類
まずは、出生前診断の種類について確認してみましょう。種類は「非確定的検査」「確定的検査」の2つに大別され、それぞれの検査でも複数の検査方法があります。
非確定的検査
「非確定的検査」として、3つの検査をご紹介します。これらの検査に共通しているのは、「非確定」とある通り、検査結果を確定することはできない点です。あくまでも疾患の可能性の有無を調べるにとどまるため、検査結果を確かなものにしたい場合は「確定的検査」を受検する必要があります。
母体血清マーカー
妊娠15~18週頃に受けられる検査で、クアトロテストと呼ばれることも。血液検査のみで行えるため、母子ともに負担が少なく、流産のリスクも極めて少ないとされています。
検査対象はダウン症候群・18トリソミー(エドワーズ症候群)・開放性神経管奇形の3つ。検査から2週間程度で結果が分かり、その感度は80%程度です。
コンバインド検査
妊娠11~13週頃に受けられる検査で、超音波検査と採血(2つの血清マーカー)を組み合わせて実施する検査です。母子ともに負担が少ないうえ、母体血清マーカーよりも少し感度が上がるとされています。
検査対象はダウン症候群・18トリソミーの2つ。検査から2週間程度で結果が分かります。
NIPT
妊娠10週頃から受けられる検査で、「Noninvasive prenatal genetic testing」の略称。新型出生前診断とも呼ばれます。採血のみで検査可能なうえ、感度も99%と高いのが特徴です。
検査対象はダウン症候群・18トリソミー・13トリソミー(パトウ症候群)の3つ。検査から1~2週間程度で結果が分かります。
確定的検査
「確定」とある通り、お腹の中の赤ちゃんの先天性異常などを確定させるための検査です。非確定的検査と比べると痛みを伴ったり母子のリスクが高まったりするため、一般的には非確定的検査の後に受検するか判断します。
羊水検査
妊娠15~16週頃に受けられる検査で、母体から羊水を採取して行う検査です。お腹に針を刺すため痛みを伴い、流産や死産のリスクが1/300といわれています。
検査対象は染色体疾患全般となっており、検査から2~3週間程度で結果が判明。母子のリスクはありますが、感度は100%です。
絨毛検査
妊娠11~14週頃に受けられる検査で、お腹の中の赤ちゃん由来の絨毛から細胞を採取して行う検査です。母体のお腹に針を刺すため痛みを伴い、流産や死産のリスクは1/100。
検索対象は染色体疾患全般となっており、検査から2~3週間程度で結果が分かります。母子のリスクはありますが、感度は100%です。ただし、検査で採取する細胞が完全に赤ちゃんに由来する細胞ではなく、検査の限界があるため、現在実施されることは少なくなっています。
出生前診断を受ける割合
出生前診断に関しては、すべての受検数が報告されているわけではないため正確な受検割合は分かりません。しかし、35歳以上のいわゆる高齢出産に該当する方たちの受検割合は高く、1/4程度のプレママが出生前診断を受けているとされています。これは、ダウン症候群の出生率が上がるのが30代、40代であることにも起因していると考えられるでしょう。
また、出生前診断の全体の受検数は増加傾向にあるという報告も。高齢出産が増えている現況を踏まえても、今後もこの傾向は続くと予想されるでしょう。
出生前診断を受けたママたちの声
出生前診断には賛否両論あり、出生前診断を受けるべきかどうか、高齢出産ではない20代のプレママでも悩む方は多くいます。受けるべきかどうか、プレママが集う交流サイトなどでも出生前診断についての悩みの書き込みが見られることも。
実際に出生前診断を受けたママたちの体験談を見てみると、年齢を考慮して受検を決めた方や、医師と相談して受検した方などさまざまな背景があるようです。
大変さがわかっているからこそ受けた
妊娠時は20代でしたが、仕事柄、障害のある子どもを持つことの大変さを実感していたため、受検しました。血液検査のみで受けられる出生前診断を選び、確定診断ではありませんでしたが、安心できたので受けてよかったです。
妊娠して初めて知り、医師と夫と相談して決めた
妊娠するまで、出生前診断についてまったく知りませんでした。妊娠当時は30代半ば。主治医と夫と相談し、母体血清マーカーを受けることに。赤ちゃんに何かあったらと不安でいっぱいだったところ、受検結果で可能性が低いと分かりホッとしました。
事前に知っていたから検討・受検した
妊娠前にテレビで出生前診断の存在を知っていました。ちょうど妊娠したのが35歳以上だったこともあり、将来が不安だったため受検を決意。羊水検査まで受け、受検後は安心してマタニティライフを送れました。ただ、費用やリスクのことがあるため、35歳以上でなければ羊水検査までは受けなかったかもしれません。
出生前診断を受けなかったママたちの声
出生前診断を受けなかったママたちには、体験談ブログなどで「どんな子でも育てていきたい」と思っている方が多く見られました。また、検討はしたものの、費用や情報が少なかったことを理由に受検しなかったという声も。
どんな子でも会いたいと思った
妊活中から出生前診断については友人に聞いて知っていました。しかし、妊活の末にやっと授かった子どもにはどんな形でも会いたいと思い、受検しなかったです。
陽性だったとしても夫婦で育てられると信じた
出生前診断については知っており、もしわが子に障害があったら自分が育てられるかという不安は正直ありました。でも陽性になっても中絶するつもりはありませんでしたし、この手で抱いたわが子は夫婦で愛情を持って育てられると思って、受検していません。
検討のみした
妊活中に雑誌で出生前診断について知っていたんです。しかし情報が少なく、費用も高かったため、検討のみで実際には受けませんでした。
受ける人が増えている出生前診断
出生前診断を受けない理由にもあったように、これまでの出生前診断は費用が高いというイメージがありました。しかし、高齢出産が増えていることや、2013年から日本に本格的に導入されているNIPTが比較的安価に受検できることから、出生前診断を受ける人は増加傾向にあります。出生前診断に悩んでいる場合、まずはNIPTから検討してみてはいかがでしょうか。当院でも受検に関する相談に応じておりますので、お気軽にお問い合わせください。