妊娠中に関するコラム

NIPTで何がわかる?調べることができる疾患・調べることができない疾患もチェック

出典:イラストAC

出生前診断のひとつ、NIPTをご存知ですか?NIPTは新型出生前診断と呼ばれ、従来の非確定的検査に比べ、検査精度が非常に高いことと安全性の高さが特徴。そのため、お腹の赤ちゃんについて調べたいという、数多くの妊婦さんがNIPTを受けています。では、NIPTの検査では、赤ちゃんの何がわかるのでしょうか?今回は、NIPTで調べることができる疾患と、調べることができない疾患にスポットを当ててご紹介します。

NIPTはどんな検査?何がわかる?

NIPT(新型出生前診断)は、Noninvasive prenatal genetic testing(無侵襲的出生前遺伝学的検査)の略。母親から採血した血液だけで、お腹の赤ちゃんの染色体異常を調べられる非確定的検査です。採血だけで検査を行えるため、母親と赤ちゃんのどちらにも負担が少なく、安心・安全に配慮した検査として、近年検査を受ける妊婦さんが増え続けています。

また従来の非確定的検査の感度が約80%程度であるのに対し、NIPTは感度99%と検査精度が非常に高い確率で、赤ちゃんの染色体異常を調べることができるのです。

なぜ、母親の血液から赤ちゃんの染色体異常を調べられるの?と気になる方もいるでしょう。その理由は、母親の血液中に、お腹の赤ちゃんの遺伝子のかけら(DNA断片)が漂っているから。染色体は細胞の中にあるのが通常ですが、お腹の赤ちゃんのDNA断片は母親の血液の中を漂っています。NIPTでは、次世代シークエンサーという機器を用い、母親の血液内に漂う赤ちゃんのDNA断片を解析。赤ちゃんの染色体異常を調べます。

そして、NIPTで調べられる染色体異常には、主に染色体異数性・微小欠失症などが挙げられます。その他、染色体を調べることで性別判定も可能です。では、詳しく見ていきましょう。

NIPTで調べることができる染色体異数性

染色体異数性とは、染色体が通常と数が異なることにより生じる染色体異常です。染色体の数に増減が発生してしまうと、先天性の病気を持って生まれてきます。NIPTで調べることができる染色体異数性をまとめました。

トリソミー症候群

トリソミーとは、染色体が1本余分に存在し、合計3本ある状態のこと。そして、特定の染色体がトリソミーであることによる染色体異常症のことを、トリソミー症候群と呼びます。

【常染色体トリソミー】
・21番染色体トリソミー(ダウン症)…21番染色体が1本多い
・18番染色体トリソミー(エドワーズ症候群)…18番染色体が1本多い
・13番染色体トリソミー(パトウ症候群)…13番染色体が1本多い

ヒトで出生可能な常染色体トリソミーは、これら3種類のみといわれています。

【性染色体トリソミー】
・クラインフェルター症候群…X染色体が2本以上とY染色体が1本
・トリプルX症候群…女児で、X染色体3本ある状態
・ヤコブ症候群…男児で、X染色体1本とY染色体2本ある状態

性染色体トリソミーは、男女の性別を決める性染色体の異常によって起こったもの。いずれも症状は軽度で、生命に関わることはないのが特徴です。

モノソミーX(ターナー症候群)

通常2本の染色体が1本になった状態をモノソミーといいます。モノソミーX(ターナー症候群)は、2本のX染色体のうち1本が部分的または欠失した女児に起こる性染色体異常です。

NIPTで調べることができる微小欠失症

微小欠失症とは、染色体に少量の遺伝物質がないことによって引き起こされる遺伝子異常です。これらもNIPTで調べることができます。

・1p36欠失症候群…1番染色体の一部の削除
・ウォルフ・ヒルシュホーン症候群…4番染色体の一部の削除
・クリ・デュ・チャット症候群(猫鳴き症候群)…5番染色体の一部の削除
・プラダー・ウィリー症候群…15番染色体の一部の削除
・22q11.2欠失症候群(ディジョージ症候群)…22番染色体の一部の削除

NIPTでわかることは赤ちゃんの染色体疾患だけでなく、性別も判定可能です。お腹の赤ちゃんの性別を、感度99%の検査精度で特定することができます。NIPTは妊娠10週目以降から受けられるため、一般的なエコー検査よりも早く、そして正確に性別を知ることができるのが特徴です。

出生前診断ではわからないこと

NIPTを含む出生前診断では、調べられないこともあります。具体的には、機能的な異常と形態的な異常は、赤ちゃんのDNA断片からは調べることができないのです。

機能的な異常

機能的な異常は、さまざまな障害の原因になります。出生前診断でわからない障害をいくつかご紹介しましょう。

・視覚障害
・聴覚障害
・発達障害(自閉症、アスペルガー症候群、ADHDなどが含まれる)

お腹の赤ちゃんの視力や聴力を調べる方法はないため、出生前診断で調べることはできません。また、発達障害は形態そのものに異常がないケースも多いため、出生前診断ではわからないことの1つとされています。

形態的な異常

形態的な異常のうち、先天的な耳の形成異常は出生前診断で調べることが極めて難しいのが現状です。形成異常は両耳ともに起こる場合もあれば、片耳だけの場合もあります。

・小耳症…耳の一部や全部が欠損している
・埋没耳…耳介上部が側頭部の皮ふに埋まった状態になっている
・耳垂欠損症…耳たぶがない

プレママクリニックのNIPTの特徴

プレママクリニックは、NIPTを専門で行う医療機関です。お腹の赤ちゃんについて調べたい・備えたいと願う方のお役に立ちたいという想いで、検査を受けていただきやすい体制を整えています。では、当院のNIPTの特徴をご紹介しましょう。

年齢制限なく、妊娠10週目以降から検査可能

当院では、妊娠10週⽬以降の⽅であれば、年齢制限なく、どなたでも検査を受けられます。なお、NIPTを受けるのは何週がベストというものはなく、妊娠10週以降であればOK。
他の検査施設で、「検査できる年齢を下回っていた」「エコー検査などで異常は⾒られなかった」などの理由により、NIPTを受けられなかったという方も、ぜひ当院のNIPTをご検討ください。

わかりやすい2つの検査プラン

当院では、予算や知りたい情報に合わせた2つの検査プランをご用意。調べる内容や料金のわかりやすさを重視しています。

【フルセット検査】
調べる内容:すべての染色体異数性および染⾊体の微小⽋失
検査料金:110,000円(税込)

フルセット検査では、すべての染⾊体異数性および染⾊体の微小⽋失を調べます。ご希望の方には、性別判定を行うことも可能です。お腹の赤ちゃんに関する情報はできるだけ多く知りたい、詳しく知りたいという方におすすめ。

【ライト検査】
調べる内容:13番、18番、21番染⾊体のうち1つだけ
検査料金:55,000円(税込)

ライト検査では、13番・18番・21番染色体のうち、どれか1つを選んでいただき、検査を行います。ダウン症など、特定の染色体異数性のみ調べたい方におすすめです。

採血から検査結果のお知らせまでがスムーズ

ご来院いただくのは、採⾎のための1度のみ。結果は、事前にご登録いただくマイページより確認することができます。なお、結果がわかるまでには、採⾎後10日〜2週間前後の時間が必要。

また、ご希望の方は検査結果を紙面でお届けする郵送サービスもご利用いただけます。オプション料金は、3,300円(税込)です。

NIPTで陽性判定が認められた方を対象とした補助あり

前述のとおりNIPTは非確定的検査です。疾患の可能性が「高い」「低い」としか診断できないというデメリットもあります。具体的には、新型出生前診断の結果が陰性でも、生まれてきた赤ちゃんがダウン症だったといったケースも…。そのためNIPTの検査が陽性だった場合は、診断を確定させるために羊水検査などによる確定的診断を受けることをおすすめしています。

当院では、NIPTでの検査結果が陽性と認められた方を対象とし、羊水検査にかかる費用を最大200,000円(税込)まで補助する「プレママ共済」をご用意。プレママ共済のオプション料金は、8,000円(税込)。一般的な羊水検査の費用は約100,000円~200,000円といわれているため、自己負担はほぼオプション費用のみで羊水検査を受けることができます。

なお、プレママ共済はオプションサービスとなりますので、ご希望の方はNIPTを申し込むタイミングでのご加入をお願いします。

NIPTで赤ちゃんに関するたくさんの情報がわかる

NIPTは母親から採血した血液から、赤ちゃんの染色体異常を調べることができる新型出生前診断です。染色体異常といってもさまざまな種類があり、その疾患によって症状や治療法などが異なります。お腹の赤ちゃんの情報をいち早く知ることで、備えることができますよ。
NIPTを受けるべきか迷っている方、受ける割合が気になっている方もいるかもしれません。受けなかったときに後悔しないよう、夫婦でしっかりと話し合い、受検を検討されることをおすすめします。NIPTに関する疑問があれば、ぜひ当院へお問い合わせください。

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