妊娠中に関するコラム

出生前DNA鑑定ってなに?いつからできるの?検査の「気になる」を解決!

近年では、ママから採血した血液を用いて、お腹の中の赤ちゃんに関わるさまざまな情報を得ることができます。赤ちゃんの染色体異常を調べることができる「NIPT(新型出生前診断)」や「母体血清マーカー」といった検査はその代表的な例。このほか、ママの血液をもとに、生まれてくる赤ちゃんの父親も調べられるのです。それが【出生前DNA鑑定】。ここでは出生前DNA鑑定を詳しくご紹介。選択肢のひとつとして、ぜひご一読ください。

出生前DNA鑑定とは

出生前DNA鑑定とは、母親の血液から検出される胎児のDNAと、父親の可能性のある男性のDNAから親子関係を調べるものです。まずは、出生前DNA鑑定がどのような目的で用いられているか、出生前DNA鑑定の種類や精度といった概要をご紹介していきましょう。

●出生前DNA鑑定の目的は「親子関係の証明」

出生前DNA鑑定でわかることは、生まれてくる赤ちゃんと父親の可能性がある男性との【親子関係】です。そのため、出生前DNA鑑定の多くは「誰が父親なのかハッキリさせる」目的で行われます。「生まれてくる赤ちゃんの父親がパートナーではない可能性がある」、「複数の父親候補がいる」などのケースで、早い段階から父親を特定できる出生前DNA鑑定が有用のようです。

●出生前DNA鑑定は「私的鑑定」と「法的鑑定」がある

出生前DNA鑑定には2つの種類があります。「私的鑑定」と「法的鑑定」です。どちらも

親子関係の鑑定ができることに変わりはありませんが、法的鑑定では、調停や裁判といった法的手続を考慮して、法律専門家や鑑定機関のスタッフといった第三者が立ち会って検体の採取を行います。鑑定結果をどのように使うかは、用途に合わせて選択されているようです。

●出生前DNA鑑定の精度は?

「出生前DNA鑑定の確率はどれくらいなの?」という疑問を持っている方は少なくありません。出生前DNA鑑定を検討している方にとって、精度は大変気になるポイントでしょう。

出生前DNA鑑定では、親子関係があれば99.9%以上という数値で検査結果が表示されます。(出生前DNA鑑定は統計学的な確率計算のため、理論上100%にはなりません)。鑑定結果で親子関係が認められた場合は、ほぼ間違いないと思って良いでしょう。ただし、父親の可能性のある男性が一卵性双生児の場合は遺伝子型の区別が難しく、鑑定が困難となるケースもあります。

●出生前DNA鑑定はいつからできる?

出生前DNA鑑定では母親の血液から胎児のDNAを検出するので、お腹の赤ちゃんに直接影響を及ぼしません。そのため、比較的早い段階から鑑定できます。鑑定可能な週数は鑑定機関により異なりますが、妊娠7週から妊娠9週の間の妊娠初期で設定している機関が大多数です。

出生前DNA鑑定の方法

「出生前DNA鑑定でママの血液が必要なことはわかったけど、父親の可能性がある男性のDNAはどのようにして採取するの?」、「どこで鑑定が受けられるの?」など、具体的な鑑

定の進め方が気になる方も多いでしょう。ここからは出生前DNA鑑定の方法をわかりやすくご紹介していきます。

●出生前DNA鑑定に必要なものとは

出生前DNA鑑定で必要となるのは、おもに以下の2つです。

・採血による母親の血液

・採取した父親の可能性がある男性の口腔上皮(口腔内粘膜)

口腔上皮は口の中の粘膜をめん棒で擦って採取します。母親の口腔上皮の提出が必要となることもありますが、鑑定機関や鑑定の種類によって異なるようです。

また、「どうしても口腔上皮の提出が難しい」という場合は、父親の可能性がある男性の検体として、特殊検体(毛髪、歯ブラシ、爪など)の提出もOKとしている鑑定機関もあります。その場合は、鑑定料金が上乗せされるケースが多いため、事前に費用を確認しておくと安心です。

●出生前DNA鑑定はどこで受けるの?郵送もできる?

母親の採血は、出生前DNA鑑定申し込み後に鑑定機関が提携する医療機関で行います。通っている産婦人科で採血を行うわけではありません。鑑定機関により提携医療機関は異なりますが、東京、大阪、福岡といった大都市だけでなく、全国の医院で採血を行えるよう配慮されているケースが多く、NIPTを専門としたクリニックで採血できる場合もあります。

男性側の検体は、送付される検査キットを使用して採取し、郵送で対応可能なケースがほとんどです。ただし、法定鑑定の場合は除きます。法定鑑定の場合は男性側の検体採取の際に第三者の立ち会いが必要です。提携医療機関や、提携の法律系事務所などで検体の採取を行うのが一般的ですが、鑑定機関によっては個別に指定場所へ出張してくれるサービスもあります。

●出生前DNA鑑定の所要時間

出生前DNA鑑定の所要時間は鑑定機関により差がありますが、10日間~2週間ほどで結果がわかるケースが多いようです。母親の血液に含まれる胎児のDNAには個人差があり、検査期間に影響する場合があります。また、特殊検体を用いた場合も時間がかかることがあるようです。

鑑定機関によっては、オプション料金を納めることで、より早く対応してもらえることもあ

ります。結果の通知方法は、電話やメール、ウェブサイトのマイページでの報告、郵送など、さまざまです。

出生前DNA鑑定の費用

ここからは、気になる出生前DNA鑑定の費用の相場をご紹介していきましょう。

●私的鑑定の場合

出生前DNA鑑定の私的鑑定では、個人的な確認を目的としているため検体提出時に立会人が必要ありません。そのため、法的鑑定よりも鑑定費用は安くなります。費用の相場は、検体採取キットを含めて110,000円~170,000円です。

●法的鑑定の場合

法的鑑定では、検体提出時の立ち会いや検査結果書類が加わることで、私的鑑定よりも費用が高くなります。傾向としては、80,000円ほどプラスされるイメージで、費用総額としては、190,000円~250,000円が相場です。

出生前DNA鑑定は鑑定機関により個別に設定されています。私的鑑定でも、法的鑑定でも、妊娠週数やオプションにより料金に幅を持たせている場合があるため、実際に鑑定する際は細かく自身のケースに当てはめて費用の確認をすることが大切です。

オプションの例としては、父親の可能性がある男性が複数いる場合に検体を追加するケースや、特殊検体を用いるケース、鑑定結果を急ぐ場合のスピード鑑定サービスや速報サービスなどが挙げられます。どのような費用がかかるかは、事前に問い合わせる、鑑定機関のホームページを確認するなどして、不安が残らないようにしておくことがポイントでしょう。

出生前DNA鑑定の口コミ

出生前DNA鑑定を行った方の口コミには、「誰が父親なのか明確になって安心した」という声や、「パートナーにパパになる自覚を持ってもらうために役立った」といった声があります。

父親が明確でない場合、不安を抱えたまま妊娠を継続することや出産を迎えることは辛いことです。父親がわからないために、中絶を検討するケースもあるかもしれません。出生前DNA鑑定は、そんなケースで出産に備えて不安を残さないために有用な鑑定です。

出生前DNA鑑定もひとつの選択肢

出生前DNA鑑定では、お腹の赤ちゃんを傷付ける心配なく親子関係を鑑定できます。父親

が誰かわからない不安があれば、出生前DNA鑑定を受けてみるのもひとつの選択肢でしょう。科学の進歩により、出生前DNA鑑定以外にもNIPT(出生前診断)などでさまざまな情報を妊娠中から【知ること】が可能になりました。知ることは【備えること】につながります。妊娠中にできる検査をうまく活用して、不安や疑問の解消に役立てられるといいですね。

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