妊娠中に関するコラム

NIPT費用はいくらかかる?医療費控除は受けられる?受検前に知りたいお金のこと

NIPT(新型出生前診断)とは、お母さんの血液検査によって、お腹の中の赤ちゃんの染色体異常がないかを調べる検査です。

検査に必要なのは、少量のお母さんの血液だけであるため、お母さんにとっても赤ちゃんにとっても安心安全な検査と言えるでしょう。

今回は、そんなNIPTを受けるために必要な費用や、出生前診断にかかった費用は医療費控除の対象になるのか、万が一検査結果が陽性だった場合、その後どんな費用がかかるのか、について解説します。

出生前診断を受けよう!NIPTってどんな検査?

●NIPTってなに?

冒頭でも紹介しましたが、「NIPT(新型出生前診断)」とは、お母さんの血液検査を行うことによって、お腹の中の赤ちゃんの染色体異常(ダウン症、エドワーズ症候群、パトウ症候群など)の有無を調べる検査です。早ければ妊娠9週目、通常は妊娠10週目という妊娠初期から検査を受けることができます。

検査に必要なものがお母さんの血液10~20mlのみであるため、母子への負担が少なく、従来の絨毛検査や羊水検査と比べて流産の可能性が低いことがメリットとして挙げられます。

さらに、結果の精度も99.9%と高く、超音波検査や母体血清マーカー検査と比べて正確であることもメリットです。

●NIPTはどこで受けられるの?

NIPTは、全国の認可施設、もしくは無認可施設で受けることができます。

認可施設とは、日本医学連合会が認可した施設のことで、21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの染色体疾患を調べることができます。

しかし、認可施設でNIPTを受けるためには年齢制限などさまざまな条件があるため、多くの人は、無認可施設でNIPTを受けることになるでしょう。

無認可であっても、違法な施設というわけではありませんので心配はいりません。

NIPTを受けてみよう!NIPT費用の相場はどれくらい?

他の出生前診断に比べて、流産の可能性が低く、結果の精度が高いNIPT。

そのため、NIPT費用は、他の出生前診断と比べて高額な傾向があります。

もちろん、クリニックや検査内容によって、NIPT費用の金額には差がありますが、およそ10万〜25万円ほどかかることを見込んでおくと良いでしょう。

もう少し詳しく説明すると、NIPT費用は、認可施設の方が高額であるという傾向が見られます。認可施設で行うNIPTの費用が20万円前後であるのに対し、無認可施設で同じ内容の検査を行う場合、10万円以下で検査を受けられることもあります。

そのため、特別な事情がない限りは、無認可施設でNIPTを行う方が良いでしょう。

無許可施設でNIPTを行う場合でも、どのような内容の検査をするかで費用が変わってきます。

例えば、21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーを含むすべての染色体を検査する場合と、任意で選んだいくつかの染色体のみを検査する場合では、およそ2倍近く費用の差があります。

また、検査前に行う遺伝カウンセリングが有料のクリニックもあるため、事前に確認しておくことも大切です。

自分達の経済状況などを考えて、検査を受ける場所や検査内容を検討しましょう。

高額なNIPT費用、医療控除の対象になる?

先ほど説明した通り、一般的にはNIPT費用は高額です。

では、NIPT費用は医療控除の対象となるのでしょうか。

残念ながら、現在NIPT費用は医療費控除の対象にはなっていません。

その理由としては、NIPTを含む出生前診断は、医療費控除の制度が想定する「治療」にはあたらないから、というものが挙げられます。

医療費控除が想定している「治療」とは、主に「医師または歯科医師による診療または治療の対価」を指しています。

NIPTは、あくまで赤ちゃんの染色体の状態を調べる検査であり、仮に検査の結果が陽性(染色体に異常あり)となった場合でも、そこから赤ちゃんの治療が行われるわけではありません。

そのため、NIPT費用は治療とは認められず、医療費控除の対象外となっているのです。

NIPTの結果が陽性だった場合はどうなる?

●羊水検査にかかる費用は?

NIPTの結果が陽性だった場合、検査結果を確定させるために、羊水検査を行うことがあります。

羊水検査とは、お母さんの子宮に注射針のような針を刺して羊水を取り、羊水の成分や羊水に含まれる胎児の細胞をもとに、胎児の染色体異常を診断する検査です。

羊水検査は確定的検査であるため、この検査で染色体異常の有無がほぼ確定となります。

羊水検査の費用は、およそ10万〜20万円ほどです。羊水検査は自由診療のため、医療保険の適用がなく、治療費は全額自己負担となります。さらに、入院する場合は、入院費も加わるため、事前にまとまったお金を用意しておく必要があります。

また、残念なことに羊水検査もNIPTと同じ理由から、医療費控除の対象ではありません。

●確定診断補助金が出る場合も!

万が一、NIPTの結果が陽性だった場合、検査結果確定のために羊水検査を行う人も少なくありません。

しかし、前にも説明した通り、羊水検査は自由診療の扱いになることから、治療にかかった費用は全額自己負担となります。

一方で、クリニックによっては、NIPTの検査が陽性だった場合、追加で行う確定診断の費用を負担してくれるところもあります。

NIPTをどこで受けるか悩んだ場合は、もしもの時に確定検査の費用負担をしてくれるところかを確認しておくのも良いでしょう。

プレママクリニックには、「プレママ共済」があります。加入しておくことで、もしNIPTでの検査結果が陽性だった場合に、その後の羊水検査にかかる費用を最大で20万円(税込)まで補助してくれます。

NIPTの費用は事前に確認し受検に備えよう

今回は、NIPT費用の相場や、NIPTで万が一陽性の結果が出てしまった場合にかかる費用について紹介してきました。

NIPT費用については、検査の内容やどこで検査を受けるのかによって、大きく変わります。また、NIPT費用は医療費控除の対象にはならないこと、羊水検査は自由診療となるため、治療にかかった費用が全額自己負担となる点には、注意が必要です。

一方で、クリニックによっては格安でNIPTを受けられるよう、検査プランを用意していたり、出生前診断の費用を一部補助してくれたりするところもあります。パートナーと相談して自分達に合った出生前診断を検討してみてくださいね。

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