妊娠中に関するコラム

NIPTの検査結果の疑問点を解決!|いつわかる?結果の見方は?どんな疾患?

NIPT(新型出生前診断)を受けるとなると、「検査結果はいつ出るのか」「どのような疾患がわかるのか」「結果に間違いがある可能性はあるのか」といったことが気になるのではないでしょうか。今回のコラムではそんな疑問にお答えし、NIPTの検査結果が出る時期や結果の見方、NIPTでわかる疾患、偽陰性の確率などについてまとめました。

NIPT受検を検討している方はもちろん、NIPTについてリサーチしている方もぜひご覧ください。

NIPTの検査結果が出るまでのスケジュール

NIPTの検査結果は、検査を受けてから結果が判明するまでおよそ1~2週間かかります。時間を要するのは、海外の検査機関に検査を依頼しているクリニックが多いから。そのため、採取した血液を輸送するのに時間がかかってしまうのです。

当院では、アメリカのイルミナ社(ベリナタ・ヘルス社)で検査を実施しています。NIPTを受検してから結果がわかるまでの目安は、10日~2週間ほど。少し時間はかかりますが、実績のある検査機関に依頼しています。

では、NIPTの詳しいスケジュールを確認しておきましょう。

NIPTを受ける流れ

クリニックによって違う部分もありますが、一般的にNIPTを受けるときは次のような流れで行います。

【NIPT受検の流れ】

1.検査のプランを決める

2.(系列クリニックが複数ある場合)採血するクリニックを選ぶ

3.採血の希望日を予約する

4.クリニックにて採血する

5.お会計をする

6.検査結果を確認する

なお、当院の場合、採血前に1時間ほどカウンセリングを実施。NIPTについての説明や、検査結果の意味などを丁寧に伝えるとともに、受検する方の不安な気持ちを受け止めながら進めています。

検査結果が遅いときに考えられること

1~2週間かかるとわかっていても、結果待ちをしているときはそわそわしてしまいますよね。少しでも遅くなると、「もしかして結果が悪かったのかな?」と不安になってしまうことも。検査結果が出るまで予定より時間がかかっているときは、どのような事情があるのでしょうか。

【検査結果が遅い場合に考えられること】

・休診日や祝日をはさんでいる

・NIPTの検査が混雑している ・交通事情 など

NIPTの検査結果は、休診日や祝日をはさむと通知が遅くなる可能性があります。また、検査機関の混雑状況や輸送時の交通事情によっては通知が遅れるケースも。

検査結果の通知がなかなか来ないと不安なってしまいがちですが、こういった事情から遅れることがあることを理解しておいてくださいね。

NIPTの検査結果が出たらここをチェック!

続いて、NIPTの検査結果の見方を確認しておきましょう。ここでは、実際に当院で通知している検査結果の画像をもとに解説していきます。上の画像と照らし合わせながら読み進めてみてくださいね。

氏名や生年月日など

まずは、氏名や生年月日、検査を受けた日などに間違いがないか確認しましょう。自分の検査結果であることに間違いがなければ、次に進みます。

「判定結果」を示す欄

次に着目したいのが、「検査結果」を示す欄。この欄には、すべての染色体において異常があったのか、なかったのかが記載されています。

判定結果に記載されるのは、「陽性」「陰性」のいずれか。それぞれの内容を以下にまとめました。

【検査結果の内容】

・陽性:染色体の異常が検出された場合

・陰性:染色体の異常が検出されなかった場合

陽性の場合、染色体に異常がある可能性が高いことを示しています。どのような異常が考えられるかは、後ほど詳しく解説しますのでご確認ください。

陰性の場合は、染色体異常の可能性が低いでしょう。

ただし、検査結果が「保留」や「再検査」となる場合があります。

これは、「採取した血液内に赤ちゃんのDNA量が少なく結果が出せなかった」「服薬中の薬の影響で検査ができなかった」といった理由によるもの。保留や再検査となったら、必要に応じでNIPTの再検査や羊水検査などを受ける方もいらっしゃいます。

各検査結果の詳細

全体的な検査結果を確認したら、各検査の詳細を確認しましょう。詳細は、選択したプランによって内容が異なります。

例えば、当院のプランで13番・18番・21番のいずれかを検査できる「ライト検査」を選択した場合、選んだ染色体の結果。すべての染色体異常や微小欠失などが調べられる「フルセット検査」を実施していたら、それぞれの染色体に異常があるかどうかが示されます。

異常がなければ「異常が認められませんでした」と記載され、異常があれば該当の箇所に「トリソミーを検出」といった結果が記載されるのです。

ほかにも性別判定を希望した場合、性染色体・性別の欄に「男児」や「女児」と結果が表示されます。あわせてチェックしてみてくださいね。

「検査所見」を示す欄

当院が出している結果には、「検査所見」の欄を設けています。ここには当院からお伝えする事柄が記載されているので、目を通してください。

検査結果が陽性!どんな可能性がある?

検査結果で「陽性」と判定が出たら、どのような可能性があるのでしょうか。ここからは、NIPTでわかる染色体異常による疾患について解説していきます。

なお、NIPTは高い精度を誇りますが、染色体異常を確定する検査ではありません。陽性判定が出た場合、確定検査である「羊水検査」の受検を検討してみてください。

「染色体異数性」の可能性

私たちの細胞核の中には、1~22番まである「常染色体(各1対)」と、2本の「性染色体(X、Y)」があります。しかしながら、いずれかの染色体の本数に異常があると、先天的に疾患を持って生まれてくるのです。

染色体異数性は、何番目の染色体の異常があるかによって違った疾患になります。代表的な疾患は、21番染色体が1本多く存在する「ダウン症候群(21トリソミー)」、13番染色体が1本多く存在する「パトウ症候群(13トリソミー)」など。

NIPTの結果において染色体の異数性が検知されると、こういった疾患を持っている可能性があると考えられます。

「微小欠失症候群」の可能性

微小欠失症候群とは、染色体のごく一部が欠けていることで発症する疾患のこと。微小欠失症候群も、何番の染色体が欠けているかで疾患が異なります。一例を紹介しましょう。

1番の染色体に欠失があると、発達遅延や知的障害といった症状があらわれる「1p36欠失症候群」の可能性が。4番目の染色体が欠失している場合、国の難病にも指定されている「ウォルフ・ヒルシュホーン症候群」の可能性が考えられます。

「性染色体異数性」の可能性

X染色体とY染色体の組み合わせで成り立っている性染色体ですが、本数に増減が生じるケースも。

性染色体は、通常XXまたはXYの合計2本の染色体で成り立っています。性別もこの組み合わせに左右されており、XXは女児、XYは男児です。

ところが、例えば女児の場合に、X染色体が1つしかないと、低身長や性成熟に遅れをきたす「ターナー症候群(モノソミーX)」に。反対に、X染色体が3本あると、個人差があるものの日常生活には支障が少ないとされる「トリプルX症候群 トリソミーX」になります。

性染色体の異数性による疾患も、どの染色体の数が異数なのかによって発症する疾患が異なるのです。

NIPTの結果で偽陰性が出てしまうことはある?

非常に精度の高いNIPTですが、残ながら偽陰性の可能性も捨てきれません。ごくまれに「陰性だったのにダウン症だった」というようなケースが生じるのです。

では、どのような原因で偽陰性になるのか、偽陰性になる確率はどのくらいなのかをチェックしていきましょう。

偽陰性が出てしまう原因

偽陰性が出てしまう原因は、主に以下の4つが考えられます。

【偽陰性が出てしまう原因】

・検査のタイミング(妊娠週数)が早く、採取した血液中に胎児のDNAが少なかった

・母体が抱える自己免疫疾患や腫瘍によるもの

・胎児のモザイク

・胎盤のモザイク

採取した血液の中に胎児のDNAが少ないと、正しい結果が出ない可能性があるでしょう。母体に自己免疫疾患や腫瘍が原因で、偽陰性となることも。

また、胎児や胎盤のモザイクが一因のケースもあります。モザイクとは、細胞の中で染色体の数が異なっている状態。例えば、ダウン症となる21番目の染色体が、異数の細胞と正常の細胞が双方一定数存在している状態を指します。

このモザイクといわれる現象によって、本来なら陽性であったのに「陰性」と結果が出てしまう場合があるのです。

ちなみに、「偽陰性」だけでなく「偽陽性」が出てしまうこともあります。偽陰性と同様に、検査のタイミングや胎児や胎盤のモザイクなどが原因に挙げられるでしょう。

偽陰性になる確率

日本産科婦人科学会が2021年に発表した「NIPT受検者のアンケート調査の結果について」によると、NIPTで陰性だった58,893件について追跡調査した結果、偽陰性が6件、確率は0.01%と発表されています。NIPTの特異度は99.9%を超えていることが明らかになりました。

特異度とは、異常が認められない人の中で、正しく陰性だと判定される比率です。つまり、偽陰性が起こる可能性はほとんどないといえるでしょう。

ただし、確率が100%ではないことは承知しておいてください。

NIPTの検査結果は出るまでに1~2週間かかる

NIPTを受検してから、検査結果が出るまで少し時間がかかることをお伝えしました。結果が出るまでの間に、検査結果の見方やどのような疾患の可能性があるのかをおさらいしてみてください。

プレママクリニックでは、NIPTの受検が可能です。「ライト検査」や「フルセット検査」のほか、結果を紙面で送付する「検査結果郵送」、羊水検査の費用を補助する「プレママ共済」といった、希望に寄り添えるオプションを用意しています。NIPT受検の際は、ぜひプレママクリニックをご検討くださいね。

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